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身近な話題から勝ち方の原理原則を考えるコラム
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■ランチェスターで斬る〜球界再編騒動をランチェスターで斬る〜■■■
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近鉄・オリックスの合併発表に端を発した球界再編騒動。
西武の堤オーナーのもう一組の合併話があるとの発言で、一挙に1リーグ制へと動きました。
が、ライブドア社の買収発言、ファンの反発、選手の抵抗を招き、状況は混沌としてまいりました。
そんな中、巨人を除くセリーグ5球団からは、2リーグ制堅持を望む声が出てきたり、日ハム新庄選手のパリーグ健在なり、を強烈にアピールするハッスルプレイがオールスターゲームであるなど、この騒動はますます混迷の度合いを深めています。
私は、一人の広島カープファンとして、言いたいことはたくさんありますが、個人の感情はさておき、この騒動をランチェスターで斬ってみたいと思います。
ランチェスターで斬ると、この問題は、ごくシンプルに解説できるのです。
キーワードは「73.9%」です。
シェア(占拠率)の科学といわれるランチェスター戦略では、シェアは何%とればよいのか、その数値をとると、どういうことになるのか、ということが定められています。
「シェアのシンボル数値」というものです。
40%はシェアの天王山といわれ、自動車業界もビール業界も、みな、そこを目標にしていることは、よく知られていることです。
また、10%は足がかりといわれたり、7%が撤退の基準となることなど、マーケットシェア(市場占拠率)の分析の仕方は、ランチェスター戦略から始まったのです。
ランチェスター戦略で定めているシンボル数値を紹介しましょう。
73.9% 独占的条件シェア/上限目標値
41.7% 相対的安定シェア/安定目標値/40%天王山
26.1% 差別的優位シェア/下限目標値/弱者は3割で充分やれる
19.3% 並列的上位シェア/上位目標値
10.9% 市場影響シェア/影響目標値/10%足がかり
06.8% 競合的存在シェア/存在目標値/撤退の基準にもなる
02.8% 市場橋頭堡シェア/拠点目標値
以上です。
小数点以下まで覚える必要はありません。四捨五入してくださってけっこうです。
ざっくり言う場合は、70、40、30・・・と10単位でもかまいません。
さて、問題の73.9%。販売目標にゴールを設けるとするなら、この数字がゴールとなります。
独占禁止法の関係で、メジャーな業界の全国シェアでここまでとっているケースは実際には稀です。
家庭用ゲーム機業界におけるソニー・プレイステーションくらいなものでしょう。
しかし、地域内シェア、顧客内シェアと細分化した場合や、ニッチな分野でのシェア目標値は、73.9%なのです。
では、なぜ100%を目標としないのか?
独占というと100%ではないのか?と思われることでしょう。
ランチェスター戦略では73.9%を販売目標のゴールとして、独占的条件シェアであるとしています。
同時に、「上限目標値」であると定義しています。
「上限」とは、これ以上はとるな、という意味です。なぜか?
これ以上とると、市場が活性化しなくなり、需要が冷え込む可能性があるためなのです。
市場というものは適度な競争があってこそ、活性化し、マーケットというパイが拡大するのです。
生産財の世界では、セカンドソースのない材料は使うな、といわれています。
1社しか仕入れる先のない材料は、もしも、何かの都合で供給がストップしてしまったら、製造できなくなるリスクがあるのです。
ですから、そういう材料は嫌われます。
代替品での製造を模索するのです。
ランチェスターでは100%独占は、必ずしも安定した状態ではないとしているのです。
市場は活性化せず、需要は伸びない。
代替品の登場や新規参入によって、競争環境がガラリと変わる危険性もあります。
ゆえに複数の競合者(プレイヤー)がいて、73.9%を占める状況が最も安定している状態なのです。
73.9%という数字には、ゴールであると同時に、それ以上とってはいけませんよという意味があり、100%という数字は、決して安定したハッピーな状態ではないのです。
さて、賢明なる読者様には、私が何をいいたいのか、もう、おわかりですね。
そうです。
巨人です。
巨人は、プロ野球市場の富の73.9%以上を占めるに至ったのです。
だから、競合他社(他球団)の脱落がはじまり、市場は活性化しなくなり、需要は冷え込んだのです。
そこに巨人は気づいていません。
近年の巨人戦のTV視聴率の落ち込みを、1リーグ制にして新鮮なカードを提供することによって挽回しようとする構想は、実現したとしても数年の効果しかないでしょう。
その後、もっと大きく落ち込むことになるはず。
私が、渡辺オーナーなら、ファンや選手のためのようなきれいごとでなく、自らが、もっと儲かるために、プロ野球の富のシェアを73.9%未満にします。
理想は41.7%でしょう。そうすれば、シェアは減っても、パイが拡大するので、売上利益が拡大し、結果的に儲かります。
たとえば、テレビ放映権をある程度コミッショナーに渡し、金で選手を集めることに歯止めをかけます。
そうすれば、お金と戦力の均衡が図れ、球界は活性化し、パイは拡大します。
その体制なら逆に球団数が増えそうですね。
野球ファンとしてもエキサイティングです。
巨人は決して損はしません。
今でも、国民の大多数は巨人ファンなのです。
野球好きの7割は巨人ファンというのが定説です。
ですから、拡大したパイの最も大きい部分は巨人が食べることができるのです。
どなたか、渡辺オーナーに、このことを伝えてもらえないでしょうか。
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■ランチェスター戦略入門講座 補講 サービスの差別化〜リッチな時間とプアな時間〜■■■
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前回「サービスの差別化」を取り上げました。
謎の凄腕コンサルタント、ペンネーム芭蕉扇(ばしょうせん)様から、また鋭い感想メールが届きました。
そこで、今回は、予定を変更して、そのメールを寄稿原稿として、ご紹介しつつ、サービスの差別化を補講したいと思います。
なお、予定されていました「価格の差別化」は次号に掲載します。
●芭蕉扇様の寄稿原稿(個人情報に配慮して一部修正済み)
> 私は10分千円床屋のQBハウスに時々行きますし、
> 1回1万5千円の美容院にも行きます。
>
> 2極化とよく言われていますが、消費の判断基準は「時間軸」では
> ないかという気がします。
>
>「お客さんはここで時間を節約したがっているか、
> あるいはここで時間を費やしたいと思っているか」
>
> 生活品や日用品を買うときは、手間と時間が掛からない方向に
> どんどん移っています。一方、贅沢品を買うときや、高品位なサービスを
> 受けるときは、はたっぷり時間をかけたいと思います。
>
> QBハウスへは、時間がない時に、待たない、早くできるという理由で
> いきます。混んでいたらすぐやめます(1分でも時間を節約したい)
>
> 美容院へいく理由は、時間の余裕がある時に、おしゃべりをしたり
> リラックスするためです。ゆっくりとお茶を頂いたり、
> 肩こりマッサージをしてもらって半日かけます。(1分でも長く居たい)
>
> 高い、安いではなくて、時間の節約ができるか、時間を楽しめるかだと
> 思います。
>
> 例えば、お中元で3000円の商品を売るときでも、お客様の心のあり方
> でサービスの仕方を変えるべきではないでしょうか。
>
> ・初めての人⇒何にしようか迷っている⇒店員の説明(サービス)が必要
> ・毎年やっている人⇒早く用事を済ませたいと思っている⇒簡便な手続き
> が大事⇒店員の余分な話などは不要。
芭蕉扇様のご指摘どおり、サービスと時間は切っても切れない仲です。
人はどうでもよいことや、どちらかというと面倒なことに時間をかけたくありません。
一方、癒しブームに象徴されるように、ゆったりと時間を過ごすことや、楽しい時間、エキサイティングな時間をもっと持ちたいと思っています。
つまり、リッチな時間(楽しい時間)はより長く、プアな時間(面倒な時間)はより短くしたいのです。
プアな時間をより短くすること、リッチな時間をより長くすることはサービスの差別化のキーポイントです。
そこにビジネスチャンスがあります。
VIPコースを設けている自動車教習所が増えているようです。普通コースだと平均40日かかるものを、予約取り放題で、25日で免許が取れる、という時間のない人用のコースです。
教習所に通うという、プアな時間を減らしているのです。
飛行機のビジネスクラスは、一番先に搭乗できて、一番先に降りることができます。
荷物も一番先に出てきます。
座席スペースが広いだけでなく、食事も飲み物も豪華で、優秀な客室乗務員が添乗します。
搭乗前にはVIP用ラウンジも使えます。リッチな時間をより長く、プアな時間はより短くしているのです。
では散髪をする時間はプアでしょうか?あるいはリッチでしょうか?
人にもよります。
が、むしろ、芭蕉扇様のように、一人の人が両面を持っていると考えるべきでしょう。
多くの人は、今日は時間がないから、あるいはお金がないから、10分千円床屋にしよう。
今日は、時間があるから、かつ、お金もあるから、半日1万5千円美容院にしよう、と思うものです。
さて、読者様。あなたがビジネスで顧客に提供しているサービスは、顧客にとってプア型な時間ですか?
リッチ型の時間ですか?
そして、その時間は、非常識なほど短くするとすれば、どうなるでしょうか?
非常識なほど、リッチに時間を楽しんでもらうとすれば、どんなことができますか?
中途半端はいけません。
極端に発想してみてください。
★読者様へ
当誌に、原稿を寄稿してみませんか?寄稿原稿をすべて掲載することは、物理的にも、読者様のためにも出来ませんが、私がすごい、面白い、と思ったものは、時々、寄稿原稿として掲載させていただきます。
匿名・ペンネーム・実名(連絡先表示可)すべてOKです。
結果として自己PRの場にもなります。掲載された方には、なにか、気のきいたものをお送りします。
投稿者 戦国マーケティング : 2004年7月21日