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身近な話題から勝ち方の原理原則を考えるコラム
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■ランチェスターで斬る〜サッカー・アジアカップを斬る2「三対一」〜■■■
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サッカー観戦中に気づいた戦いの原理、勝ち方の原則について、前回は「一対一」を取り上げました。
ランチェスターでは「一騎打ち戦」とよび、弱者の5大戦略のひとつに数えていると。
「弱者は競合数の少ない場面を選んで戦え」という意味です。
「一対一」で戦う場面を作れば、全体が小であっても、五分と五分。
サッカーでいう「個人技」さえ磨いていれば充分勝てるということです。
ちなみに「個人技」とはランチェスターでは「武器効率」といっています。
敵と味方の武器の性能の比率という意味です。
さて、今号では「三対一」について解説します。
「三対一」で戦えば、まず間違いなく勝てる、確率論的には勝率100%。
サッカーでも三人がかりでつぶしにこられたらボールがとられる、とここまでは解説済みですね。
つまり「敵の3倍の資源を投入すれば必ず勝てる」という極めてシンプルな原理です。
▼三対一▼
忠臣蔵の大石内蔵助は吉良邸討ち入りに際して、三人一組で敵と対戦することを徹底させました。
これなら相手の腕前が少々優れていても、負けることがないからです。
大石の播州赤穂藩は山鹿素行の山鹿流兵法を学んでいました。
兵法の教え通り実戦して目的を達成したのです。
第二次世界大戦の緒戦、日本の戦闘機ゼロ戦は米軍を中心とする連合軍に連戦して連勝しました。
戦闘機としての性能もよく、操縦する技能も日本軍が優れていたので、一騎打ち戦で戦うと、圧倒していたのです。
そこで米軍はゼロ戦一機に対して、常に三機で戦う物量作戦を始めました。
これでは、さしものゼロ戦も勝てません。
次々と玉砕していったのです。
「三対一」で戦えば必ず勝てる、という原理は、個々の戦闘場面だけでなく上陸作戦にも応用されました。
グァム、サイパン、パラオなど日本軍が占領していた太平洋の島々です。
米軍は日本軍が兵数何名で守っているのかを調べ、きっちりと3倍の兵数で上陸作戦を敢行したのです。
防衛庁の資料によると、日本軍は10島を、のべ104,200名で守備していたのに対して米軍は、のべ332,000名で上陸しました。
冷酷なまでに緻密に計算したのが米国海軍作戦研究班です。
この研究がOR(オペレーションズ・リサーチ)で、今日のランチェスター戦略の原点なのです。
▼3倍を実現する『重点化』『組織化』『効率化』▼
さて、ビジネスに置き換えて考えてみましょう。
敵の3倍の経営資源を投入せよ、とは経営資源の多い「大」にとってはリアルに考えられることです。
が、経営資源の少ない「小」にとっては、簡単なことではないはず。
往々にして敵の3倍の時間働け、のような精神論になってしまいがちです。
あなたは24時間、戦えますか?
私は戦えませんし、継続的に勝ち続けるために、戦士には休息、充電、勉強する時間が必要だと思います。
私は、コンサルティングや研修で、敵の3倍の経営資源を投入する、または敵の3倍働くということを、重点化、組織化、効率化の3つで実現するように指導しています。
■重点化
重点化とは、ここで勝つんだという局面を決め、その局面に敵を圧倒する経営資源を投入することです。
地域なのか、商品なのか、一つの顧客なのか、ここなら勝てる、という一つに絞り込んで、そこに人、モノ、金をつぎ込むのです。
軍事戦略でいう「局所優勢主義」です。
その勝ち目、生き筋以外は犠牲となってもやむをえないとの覚悟も必要です。
■組織化
チーム・セリングという発想です。たとえば「営業マン、技術スタッフ、営業上司」「テレアポやFAX〜DMなどアポとり内勤営業、アプローチ若手営業、プレゼン・クロージングのベテラン営業」といった社内の営業チーム、また「メーカー、ディーラー、アフター・メンテ」といった社内外の営業チームがうまく機能すれば、チームパワーは足し算ではなく、合計人数の2乗の力となるのです。(ランチェスター第二法則の応用)三人なら9の力です。
これなら、敵が一騎当千のツワモノでも、恐れるに足らず。
後述する≪生産財の営業の「価格以外の」差別化≫も、このことを意味しています。
■効率化
長時間働く前に、まず、今働いている時間の効率化を考えるべきです。
労働時間は3つに区分できます。一つが「NVA非付加価値活動(価値を生まない活動)」、もう一つは「VA付加価値活動(価値を生んでいるが、競合もやっている活動)」、そして「SC競争力源泉活動(顧客に自社を選んでもらうための活動)」。
この3つがどのように使われているのか、調べてみると驚く結果が出てきます。
NVAが60%、VAが30%、SCはわずかに10%という会社は珍しくありません。
SCを3倍に増やさない限り、仮に全労働時間を3倍にしても、意味はないのです。
この時間効率向上のための活動改善はABMと呼ばれる最新の経営手法です。
▼まとめ▼
「三対一」の必勝パターンは、何も敵の3倍の資源(時間やお金や人数)を持たなくても、充分に実現可能なのです。
これが戦略というものです。
ただ、言うは易し、行うは難しの典型です。
「重点化」「組織化」「効率化」に取り組むには、生みの苦しみが伴います。
が、これほどわかりやすい勝ち方のロジックはないはず。
ぜひ、挑戦してみてください。
◎重点化を掛け声だけでなく、実際に、資源を敵の3倍投入していますか?
◎チーム・パワーで戦っていますか?それとも一匹狼ですか?一匹狼なら、三匹の羊に攻められたら負けるということは、もうおわかりですね。私のような自営業者であっても、チームを編成して戦っているのですよ(後述の「誌上相談」をご参照のこと)
◎あなたの全労働時間の内、競争力を生み、顧客に選ばれるために費やしている時間は何%ありますか?その時間量を3倍にすることは、総労働時間を増やさなくてもできます。
なお、ABMについては9/15(水)のセミナー「ランチェスター戦略入門セミナー〜営業マン戦略編」の中で実例を踏まえて解説いたします。
ご興味ある方はどうぞ。
⇒ http://www.sengoku.biz/semi_04_9_15.htm
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