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身近な話題から勝ち方の原理原則を考えるコラム
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■ランチェスターで斬る〜【肉まんVS豚まん】〜■■■
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▼ある男女の口論▼
出張帰りで大阪から東京に新幹線で向かっている最中に出来事です。
隣に座った若い男女二人連れが何やら口論をはじめました。聞くつもりはないのですが、どうしても聞こえてしまいます。
何を揉めているかと思いきや。
お土産で買った中華まんのことを「肉まん」と呼ぶか「豚まん」と呼ぶかという実に他愛もないことで揉めているのです。
男「なにをいうとるんじゃ、昔っから豚マンは豚マンやろうが。豚、豚、豚!」
女「豚、豚いわないで。ムカツク!肉まんでしょ、これは!」
男「そんなら何かい。この中には牛がはいっとるんかい!豚やろ、具は」
女「そうよ、豚よ。それを肉まんっていうんじゃない。みんなそう言ってるよ」
はい、そこまで。
読者様は、この会話を聞いて何を思いますか?
えっ?どうでもいいって。
まあ、そういわず、私の話につきあってください。
この男女の会話は我が国の2大食文化圏を知る重要なヒントが隠されているのです。
この男女の会話、どちらも正しいのです。関西では中華まんのことを「豚まん」とよび、関東では「肉まん」と呼んでいるからかみ合わないだけなのです。
では、なぜ、東西で呼び方が違うのでしょうか?
▼豚食文化圏と牛食文化圏▼
関東では「豚」のことを「肉」と呼び、関東では「牛」のことを「肉」というのです。
つまり関東では豚が、関西では牛が肉の代表選手なのです。
中華まんの具は豚ですから、関東では肉まんとなり、関西では豚まんとなるのです。
もし、牛で肉まんができていたら関東では牛まんとよばれ、関西では肉まんと呼ばれていたことでしょう。
関東、関西、我が国の2大都市圏の食文化の違いは様々ありますが、意外に知られていないのが関東・東日本は「豚食文化圏」で関西・西日本は「牛食文化圏」であることです。
関東では豚が肉と呼ばれ、関西では牛が肉と呼ばれる由縁です。
そんなことはない、私は、牛は牛、豚は豚、肉はその総称として使っているよ、幼稚園児でも区別をつけてるぞ、第一、牛も豚もどちらもよく食べるし、と読者様はいうでしょう。
でも、年間の消費量を比べれば明らかに東西の差は出ます。
牛肉の消費量が全国1位は和歌山県で、一世帯あたり年間14.1kgも消費しています。
これは東京都の2倍です。
一方、豚肉は、関東・東日本では年間17kg以上消費されている県が多いのに対して、関西・西日本では13kg未満の県が多いのです。
(総務省「家計調査年報 平成13年版」より)
まだ、ピンと来ませんか?ならば、決定的な証拠をお見せしましょう。
先日、朝日新聞に掲載されていたのですが、NTT関連機関の調査によると、首都圏の家庭の肉じゃがの作り方は53%が豚肉を使い、牛肉を使う家庭は38%であったとのことです。
関西・西日本で同じ調査をしたなら80%以上は牛でしょう。
確信します。
というのも、私は肉じゃが発祥の地である広島県呉市の出身です。
肉じゃがは、ビーフシチューをまねて作った旧海軍の艦上食が原点なのです。
ですから、牛に決まっています。
それが関東で豚となったのは、関東では肉のことを豚といいますから、普通の主婦は、豚を使えばいいと勘違いして普及してしまったからに他なりません。
さて、今回はウンチク、豆知識の類か、と思われたかもしれませんね。
いえいえ、ここにも、ビジネスの勝ち方の重大な法則が隠れているのです。
それは…
▼売上の母なる大地のことを知っていますか?▼
●戦略は地域ごとに考えなければなりません。
地域によって、売上、シェア、競合状況、販路などの市場環境が違うはず。
また、人口や世帯の増減や構成比、歴史、気候風土などの地域特性も違うのです。
地域ごとに戦いの条件が異なるというのに、全国一律の戦略でよいはずがないではないではありませんか。
しかるに、多くの全国区企業は中央集権型です。本社が戦略をたて、ブランチ(支社・支店・営業所)はそれを忠実に実施する係として位置づけられています。
最悪な戦略は「全国一斉○○デー」というやつです。地域によっては田植えが忙しい時季かもしれません。
また、別の地域ではお祭りに夢中かもしれません。ところによっては選挙でそれどころではありません。
それなのに、なぜ、全国同じ日にイベントをしたがるのでしょうか。
単に本社スタッフが仕事を楽したいだけではないでしょうか。
ブランチにも問題がないわけではないと思います。
多くのブランチは日々の業務に追われていることを理由に、市場環境や地域特性を調べ、地域での最適な戦略をつくるという本来の仕事を放棄しているとしか思えない会社が多々見られます。
忙しいのはわかります。
でも、訪問活動で長時間移動してくたびれるので、仕事をした気になっている人はいませんか?本当の仕事は、移動することではないはず。
●まず、あなたの売上の母なる大地である、あなたのテリトリー、商圏について知ることから始めてみませんか。灯台下暗し。様々な気づきがあるでしょう。
あなたがそのテリトリー、商圏の出身でない場合は特に要注意です。
豚のことを肉と呼んでいる人と、牛のことを肉と呼んでいる人の話はかみ合いませんので。
▼まとめ〜ランチェスター地域戦略▼
ランチェスター戦略の結論はNo.1(2位に圧倒的な差をつけたダントツの1位)です。
販売目標にゴールを設定するなら、No.1がそのゴールです。では、どうすればNo.1になれるのか。その実務的な体系が地域戦略なのです。
ランチェスターの原点である軍事戦略も、地域戦略も、いわば地域の奪い合い。
地域内でNo.1を作ることは企業規模の大小を問わず、実現可能です。
特に弱者は広域あるいは全国区で戦っても勝ち目はありませんが、地域を狭い範囲に絞れば充分に勝ち目があることから、No.1づくりの第一歩は地域から、といえます。
また、差別化には、商品、価格、サービス、チャンネル、地域の5つのポイントがありますが、卸売業、ディーラーなどは商品、価格、サービス、チャネルの差別化は極めて困難です。
差別化してもすぐにミーとされるので、無理といっても過言ではないでしょう。
しかし、地域は差別化できます。残された差別化の最後の切り札でもあるのです。
投稿者 戦国マーケティング : 2004年8月31日