ランチェスターの法則、ランチェスター・ブログ。メルマガ、第42号 コラム・ランチェスターで斬る【“鼻くそ社長”完結編】。。

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経営戦略のバイブル

第42号 コラム・ランチェスターで斬る【“鼻くそ社長”完結編】

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■コラム・ランチェスターで斬る【“鼻くそ社長”完結編】■■■
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先々週、先週と引き続き、黒豆の薄甘納豆“ゴリラの鼻くそ”を動物園ルートで売りまくっている“鼻くそ社長”こと岡伊三郎商店(屋号=笑売堂)代表取締役岡和正さんのインタビューをお届けします。
今回で完結します。
http://www.hanakuso.jp

前号のまとめ

1.動物園の本丸である上野動物園に卸すことを断れた理由は、感性に合わない、
  実績がない、の2点。ならば、外堀を埋めて実績をあげ、嫌でも入れたいと
  上野に思わせたい、と「ゴリラの鼻くそ日本列島縦断作戦」を決行。全国主
  要動物園を押さえ、どの売店でも人気トップクラスの申し分のない実績を作
  った。

  このやり方は、ランチェスター地域戦略「3点攻略法」の原理と同じ。

2.商品ラインの拡大と動物園以外の販路を開拓。ただし、コンビ二のような巨
  大流通ルートは経営規模が合わないので撤退。問屋は100%コントロールで
  きないが、ファンを味方につけ、非正規ルートに商品が流れない抑止効果を
  果たしている。

  本件の場合は、規模が拡大して有名になったからといって、弱者の戦略から
  強者の戦略に切り替えるべきでない。ニッチなロングセラー商品を目指すべ
  き。

さて、本丸の上野動物園は、対外的には落としていないといいながら、落としている以上の成果をあげているという。
いったいどういうことなのか?そこには恐るべき戦略が隠されていました。

今号はここからスタートします。
こんなこと書いちゃっていいの?というような話です。
「ランチェスターな社長」奮戦記インタビュー完結編をお届けします。


▼最後の一粘り▼


福 上野動物園では取り扱ってもらっていない。けれども取り扱ってもらってい
  る以上の成果をあげている、とのことですが。いったいどういうことでしょ
  うか?

ゴ はい。動物園内には入っていません。が、動物園と駅を結ぶ、いわゆる門前
  商店街のお店に入っているということです。私の地元には出雲大社がありま
  すが、その参道の土産もの屋と同じです。神社の中に入れないなら、門前で
  売ろう、というわけです。

福 なるほど、そういうことですか。でも、それだけじゃないのでしょう。園内
  で売る以上の成果があるってことは。

ゴ はい。実は、はじめはサッパリ売れなかったのです。上野以外の全国の動物
  園でどこでもトップクラスの人気にお土産なのに。上野の門前売店では売れ
  ない。返品したいとまで言われました。

  やっぱり、東京では通用しないのかな、あるいは、園内と門前では世界が違
  うからなのかな、と思っておりました。品揃えの工夫などをしてみても、手
  ごたえがない。最後にひと勝負してダメなら諦めようと思っていたのですね。

福 園内の世界観の中でこそ、通用する「笑」だったのでしょうか。笑いという
  ものは場によりますから、夢から現実に戻される門前では興奮が薄れていた
  のかもしれませんね。でも、最後の一手を打ったのですよね。

ゴ ええ。簡単なことです。道路の工事現場にあるような可動式の立て看板を通
  路に置かしてもらったのです。「お土産に最適。ゴリラの鼻くそ」というイ
  ラスト入りのシンプルな看板です。
  ⇒< http://www11.plala.or.jp/arumot/fchimata.html#110 >

  そうしたら、とたんに売れはじめました。目立つのです。うちのシンプルな
  看板は。そして、動物園には気の効いたお土産なんてないのです。公共施設
  ですから。特に上野はマジメですし。

  この看板が目立つものですから、マスコミが取り上げるようになったのです
  ね。一つ取り上げられると、次々と取り上げるのです。マスコミの報道効果
  は絶大です。あっという間にファンが増えました。

福 ほんのちょっとしたことですね。最後の一粘りをするか、しないか。これは
  信念をもって、この商いをやっているか、いないかの違いだと思います。そ
  れにしても、勝負の分かれ目が立て看板一つだったとは。なるほど、園内以
  上の効果とは、そういうことでしたか。まず、園内はお堅いので、立て看板
  などはひとつの商品で立てさせてもらえない。

  それに園内のことは、動物そのもの以外のことをマスコミはとりあげにくい。
  が、商店街のことは、おもしろがって取り上げられやすいということもある
  のでしょうね。

ゴ はい。その通りです。さすが“鼻くそコンサルタント”(笑)でも、もう一
  つあるのですよ。園内に入っていないメリットが。


▼顧客をサポーターに▼


福 まだ、ありますか?

ゴ 福永先生。私は「ゴリラの鼻くそ日本列島縦断作戦」をまだ続けているので
  すよ。この作戦はネバーエンディングストーリーにしたいのです。

福 ということは、鼻くそ社長さん。もしかして、本丸は落とせないのではなく、
  あえて落としていないのですか。福永流にいうと戦いはまだ終わっていない、
  とファンを煽って、本丸を落とすまで、応援してくれ、共に戦おうというム
  ードづくりをしているということですか!

ゴ いや、そこまでいうと身も蓋もない話ですが…。そう言われれば、そういう
  ことです。ただ、狙ってそうしたというよりも、私自身が、夢をかなえちゃ
  えば、終わってしまうような寂しさがあるのです。“ゴリ鼻”ファンの方々
  とこれからも、夢を追い求めたいのです。

  いつか、“ゴリ鼻”ファンの皆さんと集まって、上野動物園にデモに押しか
  けたいですね。「“ゴリ鼻”を置けーっ!」って(笑)

福 いやあ、感服しました。戦略であるとともに、夢ですね。その夢があるから
  単にお土産として買ってくれただけの人がファンになり、サポーターにまで
  なっていく。お見事!

  ランチェスター戦略は別名、占拠率の科学といわれています。占拠率すなわ
  ちシェアはどこまで獲るのがよいのか。その結論は74%です。それ以上は
  獲らないほうがよい。なぜなら、勝負が完全についてしまうので市場自体が
  衰退してしまう危険性があるから。

  上野に入る、入らないという話は、これに合い通じます。つまり、入ってし
  まうと完全に勝負がついてしまう。その先にあるのは衰退かもしれない。一
  時のブームとなり、商品寿命が短命で終わるかもしれません。

  ところが、入るぞ!入るその日まで共にガンバロー、とやっていると、いつ
  までも成長期。

  お話を伺っていて、つくづく感じたのは、鼻くそ社長さん。あなたの話は、
  笑い、感性、夢に溢れているけれど、同時に、高度な戦略論ですよ。お客さ
  んのサポーター化はCRM(顧客関係管理)の最新の経営手法そのものです。

  感性で突っ走ってきただけとおっしゃったけど、本当は、相当勉強なさって
  いるのではないですか?

ゴ いえ、正直、ランチェスター戦略を今日、はじめて知りました。だから、福
  永先生、いや“鼻くそコンサルタントさん”、あなたにブレーンになってく
  れって頼んだんじゃないですか。

  全部メルマガに書いていいから、私の今後の戦略をしっかりアドバイスして
  くださいよ。これからが肝心ですから。

福 はい。わかりました。大変よい話をお聞かせいただきました。多くの悩める
  経営者、ビジネスパーソンのお役にたつインタビューができました。今日は
  本当にありがとうございました。


▼ナチュラル・ランチェスター▼


もはや、“鼻くそ社長さん”のまとめは不要でしょう。
ですから、まとめに変えて戦略をマスターするとはどういうことなのかを解説しましょう。

ランチェスターは法則が原点です。
法則というものは、ニュートンの万有引力の法則のように、知っていようが、いまいが、リンゴは木から地上に落ちるわけです。
知っていようが、いまいが、勝ち負けは、こうなる、というのがランチェスター法則です。

ですから、源義経や織田信長は、ランチェスター以前の人ですが、ランチェスターの法則どおり戦って勝ちました。

このように世の中には、戦略を勉強していなくても、感覚的に、どうすれば勝てるかをわかっている人がいます。
私は、そういう人を「ナチュラル・ランチェスター」と呼んでいます。
生まれながらの「勝負勘」で勝てる人です。
“鼻くそ社長さん”はその典型です。
天才型です。

でも、そういう人は稀です。
多くの人は、勉強して戦略思考を体得し、「勝負勘」を鍛え上げるしかないのです。
努力型です。

ナポレオンも武田信玄も兵法書をさんざん勉強して、戦略体系をマスターしました。
“鼻くそコンサルタントさん”と呼ばれた私・福永は信長のファンですが、このタイプ分けでは、努力型になります。

果たして、読者様はどちらのタイプでしょうか。
私と同じタイプなら、ともに勉強しましょう。
勉強せずして勝てないからです。
もしも「ナチュラル・ランチェスター」なら、なぜ、勝ち続けていられるかを私に分析させてください。
その「勝負勘」を組織に行き渡らせるためにはロジックで裏づけをとることが一番です。

なぜなら、普通の人(努力型)はその「勝負勘」を感覚的につかむことは難しく、論理的にしかつかめないのです。
天才は、己が天才ゆえに、人にそれを伝えることが苦手です。


投稿者 戦国マーケティング : 2004年10月 5日