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身近な話題から勝ち方の原理原則を考えるコラム
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■ランチェスターで斬る〜No.2宣言〜■■■
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―たった一人のサラリーマンが、会社を根こそぎ変えてしまった!
19年前、香港から突然登場した男が、“弱小な外資系”だったトリンプを全く別の会社に仕立て上げた。
いつもワコールの後塵を拝して来た女性下着メーカーが、18期連続増収増益を達成する人気企業に生まれ変わった理由とは―
そんな魅力的な紹介文にそそられて、同社社長・吉越浩一郎さんの著書
「革命社長」を読みました。
⇒ http://amazon.co.jp/o/ASIN/4534039239/sengoku-22/ref=nosim
中身のあるとてもよい本です。
しかもインタビューをまとめているような会話調で読みやすい。
2時間足らずで読みきりました。
トリンプといえば
◎早朝会議・・・毎朝全幹部が会議し、即断即決している。
地方の人はテレビ会議で参加。
◎がんばるタイム・・・毎日12:30からの2時間、私語はもちろん
電話や社内の歩き回りも禁止し、仕事に集中。
得意先にも理解してもらっている。
◎ノー残業・・・毎日18:25で一斉消灯。
残業が一切ない。
・・・などのマネジメント手法が有名ですね。
もちろん、同書の大半は、それらの秘話が社員の声とともに語られています。
でも福永は同社のマーケティング戦略は「ランチェスター弱者の戦略」の典型であると感じました。
そこで今号はトリンプをランチェスターで斬らせていただきます。
トリンプ公式サイト⇒ http://www.triumphjapan.com/
吉越社長ブログ⇒ http://www.kakumeishacyo.com/
▼2位は弱者▼
トリンプは年商500億円超、婦人下着市場2位の、超優良企業です。
学生就職人気ランキングでも上位です。
それでもランチェスター的には「弱者」です。
ランチェスターでは規模に関係なく、競合局面において1位企業のみを「強者」と呼び、2位で優良企業であっても「弱者」と定義しています。
そして弱者の基本戦略は「差別化」です。
1位=強者=ワコールのマネをしてはなりません。
差別化は商品・価格・チャネル・プロモーション・サービス・地域などあらゆるマーケティング分野で取り組みます。
同書はワコールとの差別化という視点では語られていませんが福永が深読みするに、徹底した差別化戦略がそこにあると感じました。
同書を読んで、有名な広告キャンペーン「エイビスのNo.2宣言」を思い出しました。
全米2位のレンタカー会社がかつて実施したものです。
「エイビスはNo.2です。だから○○をします。」という差別化宣言です。
以下に、誠に勝手ながら「トリンプのNo.2宣言」を作成しました。
▼トリンプのNo.2宣言▼
◎商品の差別化
「天使のブラ」「恋するブラ」「Tシャツブラ」と
そのユニークなネーミングでヒットを連発してきたトリンプですが
直近では「小悪魔ブラ」がクリーンヒットとなりました。
機能やつけ心地を追求する傾向に差別化し、見た目を重視したのです。
この商品、「セクシーな下着を作りたいっす!」と就職面談で発言した
入社間もない男性社員が企画したということでも話題になりました。
胸元にレースをあしらったエロではなくセクシーなブラジャーです。
「小悪魔キー」というカギをつけて「誰にあげる?誰があける?」との
広告にもドキッとさせられました。
⇒【トリンプはNo.2です。
だからワコールが作らないブラジャーを作ります!】
◎プロモーションの差別化
トリンプはとにかく話題づくりがうまい。
新商品導入時はもちろん、定期的にPRブラを制作しマスコミ発表しています。
2003年の「阪神タイガースブラ」は記憶に新しいでしょう。
また、ユニークなマネジメント手法もテレビなどのメディアで
たびたび取り上げられ、吉越社長自身が有名カリスマ社長です。
今回の本「革命社長」も、PRの側面を強く意識していると思います。
8月7日までにアマゾンで同書を買うと、抽選でトリンプ特製の
「革命トランクス」が当たるとのこと。
・・・革命トランクス!? って何じゃそりゃ。
でも、ちょっと欲しいかも。
⇒ http://www.njg.co.jp/c/3923.htm
著名な社長さんが、そこまでやるか!というようなキャンペーンですが
そこまでやるから「弱者の戦略の典型」であると福永が思うわけです。
同社のマスコミ露出量は広告費換算すると、なんと年間27億円です。
⇒【トリンプはNo.2です。
だから自ら動いて話題を仕掛けます!】
◎チャネルの差別化
婦人下着のメインチャネルは百貨店、大型スーパーですが
ここは強者ワコールが圧倒的に強い。
そこでトリンプは直営店にも力を入れています。
現在、全国232店舗、ワコールの3倍以上の店舗数です。
直営チャネルではトリンプが強者なのです。
⇒【トリンプはNo.2です。
だからワコールと違うチャネルを重視します!】
◎サービスの差別化
トリンプの販売員さんは、あらゆる業種の接客販売員が
その接客技術を競うコンクールで今年、日本一となりました。
婦人下着は女性が一対一の対面で売る商品です。
販売員さんの能力が大きな決め手です。
最後は一対一の接近戦に強いものが勝つのです。
⇒【トリンプはNo.2です。
だから一対一の接近戦では絶対に負けません!】
▼射程距離▼
まだまだ、いろいろあるのですが、きりがないので、これくらいにしておきます。
ご興味あれば「革命社長」をお読みください。
ランチェスターの生きた教科書だと思いますよ。
⇒ http://amazon.co.jp/o/ASIN/4534039239/sengoku-22/ref=nosim
ただし、このコラムは、同書に触発されて福永がトリンプをランチェスターで斬ったものであって、同書に書かれていることを抜書きしたものではありません。
No.2宣言も、福永が勝手に作成したものです。
念のため。
最後に国内婦人下着の市場動向、マーケットシェアを。
◎2003年度
市場規模 4130億円(前年対比1.2%減)
1位 ワコール 23.3%(0.2%増)
2位 トリンプ 11.5%(0.9%増)
3位 グンゼ 5.1%(0.1%増)
◎2004年度
市場規模 4080億円(1.2%減)
1位 ワコール 23.3%(0)
2位 トリンプ 12.5%(1.0%増)
3位 グンゼ 5.2%(0.1%増)
ということで、ワコールが強いことは強いのですが
昔は、横綱とふんどしかつぎくらいの差があったのです。
それが、横綱と大関候補の関脇くらいまで、その差は縮まりました。
今期の状況によっては、トリンプはワコールのシェアの√3倍未満になる可能性大です。
1位の√3倍未満に入るということはワコールが射程距離圏内に入るということでワコールがランチェスターが定義するNo.1の座から陥落しただの1位になるということです。
これこそ「革命」的なことだと思います。
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