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経営戦略のバイブル

第98号 コラム『ランチェスターで斬る〜50人に一人タダ』

身近な話題から勝ち方の原理原則を考えるコラム
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■誌ランチェスターで斬る〜50人に一人タダ〜■■■
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16日、日本一の電気街、オタクの聖地ともいわれる秋葉原にヨドバシカメラが開店しました。
売り場面積2万3800平米の日本最大級の家電量販店です。
街の電器屋さん200軒分の面積です。

TX(つくばエキスプレス)開通もあってか、開店4日で80万人も来店したとのこと。六本木ヒルズ開業時並です。
秋葉原全体にシャワー効果があったものと思われます。

ヨドバシの出店戦略は地域最大規模のお店を一等地に出店する「地域一番店戦略」です。
ランチェスター強者の5大戦法の「物量戦」の店舗型ビジネスでの典型です。


家電量販店といえば、かつては「他店より一円でも安く!」。
価格破壊、安売り競争一辺倒でした。
私も10年前までは、どこで買うのが一番安いのか、冷やかし半分で、いろいろなお店を見て回ったものです。

しかし近年では「ポイントカード」による顧客の囲い込みに競争がシフトしてきました。多少の安さよりもポイントを一つの店で貯めていったほうが便利でお得、という傾向です。

確かに安さだけなら「価格コム」などで、一発で調べられます。
何店も見て回る必要はないのです。

それとポイントを貯めるお店は、せいぜい2店までではないでしょうか。
私は1店です。たくさんあっても面倒くさいですからね。

・・・ということは勝ち組・負け組がよりシビアになるってことですね。
潰れる家電量販店が後を絶たないわけです。


当然のごとく、ヨドバシ秋葉原店の開店プロモーションの目玉はこのポイントの倍付けでした。


▼値引きのトリック▼


ところで、このポイントカードとは何か。
「購入条件つき割引」に他なりません。

1万円の買い物をすると、通常1千円分の買い物ポイントがつきます。
次回、その1千円分のポイントで買い物ができるということ。

これは一見すると10%OFFのように錯覚してしまいますが
1万円で1万1千円分の買い物ができるということですから約9%OFF。
しかも当たり前ですが同系列店で買い物をしたときだけの割引です。

今回のヨドバシ秋葉原店のポイント倍付けで1万円につき2千円分ついても、約17%OFFってことです。
便利でお得・・・っていうけれど、冷静に計算すると、この程度。


一方、ヨドバシ秋葉原店開店にミートしてビッグカメラ有楽町店は「50人に一人タダ(無料)キャンペーン」を行っています。
通常のポイントにこれが加わるのですからインパクト大。
ヨドバシに負けじと、大盛況だそうです。

でもね、これもワクワクはしますが、冷静に考えてみれば50人に一人、すなわち100人に二人タダ、ってことです。
確率論でいうとたったの2%OFFということですよね。

均すと、通常のポイント9%に加えて合計11%の値引率です。


ランチェスター戦略の価格の差別化とは「ライバルと違った価格帯で戦え」。
価格競争は最後は体力勝負なので、弱者は価格競争に巻き込まれるべきではない、としています。

しかし、競争関係上、あるいは商習慣上、値引かざるをえない場合も多いでしょう。
そんな場合、まともに値引いていては、弱者はやってられません。

価格競争の権化のような家電量販店ですら、このようなトリックを使って
「お得で便利、さらにワクワクするダブルチャンス!」なんていっていても金額的には、たいした値引きをしているわけではないのです。

値引かざるをえないのなら、このような顧客囲い込み効果やプロモーション効果のあるやり方で値引きましょう。
ただ安くしたって、お客さんには、たいしてありがたられません。

値引きには工夫を!


投稿者 戦国マーケティング : 2005年9月28日