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経営戦略のバイブル

第105号 『誌上セミナー〜弱者と強者の基本戦略〜』

身近な話題から勝ち方の原理原則を考えるコラム
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■誌上セミナー〜ランチェスター戦略入門〜【弱者と強者の基本戦略】■■■
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▼ランチェスター法則と弱者・強者▼


F.W.ランチェスターが発見した2つの軍事法則の結論は

第一法則・・・戦闘力=武器性能×兵力数
第二法則・・・戦闘力=武器性能×兵力数の2乗

というものです。 
この法則から、兵力数が多ければ、第二法則型の戦い方をすべきであり、兵力数が少なければ、第一法則型の戦い方をし、兵力を集中し武器を磨けば勝ち目はあることがわかります。

この軍事法則を企業間の販売競争に応用した故田岡信夫先生は兵力数の多寡を市場占拠率の多寡に置き換え、競合する当該局面において占拠率1位企業を「強者」、1位以外を「弱者」と呼び強者は第二法則型の総合的・広域的・確率的・遠隔的・物量的な戦いを、弱者は第一法則型の局地的・一騎打ち的・接近戦的な戦いをすべきであることを導き出しました。

弱者と強者の立場の違いと、戦い方が異なることがはっきりします。
そして、弱者と強者の基本戦略が定義されるのです。 すなわち

弱者の基本戦略・・・差別化戦略
強者の基本戦略・・・ミート戦略

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▼差別化とは先に仕掛けること▼


弱者は「武器性能」を磨き上げ、兵力を集中しなければ、強者に勝てません。
あなたのビジネス上の武器とは何ですか?

商品力ですか? それを裏付ける技術開発力ですか? 
あるいは納期や、保証・アフターなどの付加価値ですか?
それとも営業パーソンのスキルですか? それを裏付ける情報力ですか?

勝つために私たちは、こういったビジネス上の武器をピカピカに磨き上げなければなりません。
会社は第一線の営業パーソンに、敵と接近戦で遭遇しても互角以上に戦えるだけの武器を持たせるべきです。 竹槍では根性を鍛えても勝てませんから。

「武器を磨く」・・・このことをビジネスでは「差別化」というのです。
弱者は相手を上回る武器を持っていなければ(差別化していなければ)勝てません。

ですから弱者は強者のマネをしていても勝てるはずがありません。
弱者は強者がやらないことを先んじて仕掛けていかないと勝ち目はないのです。
差別化とは「先に仕掛ける」ことです。

ソニーのウォークマン、ホンダのスポーツカーなどが差別化の代表例ですね。


▼ミート戦略とは模倣・追随▼


一方、強者は弱者が武器を磨いてきたら、同じ武器で戦うことです。
そうすれば武器性能が同じになりますので、兵力数の多い強者が必ず勝ちます。

弱者が差別化してきたら、それを模倣・追随すればよいのです。
そうすれば差別化が差別化でなくなりますので強者が必ず勝つのです。

この模倣し追随することを強者の基本戦略「ミート戦略」といいます。
弱者の差別化にぶつけて潰すという意味。
ただし、当たり前のことですが、模倣は合法の範囲でなければなりません。
特許など他者の知的財産を侵すことは犯罪行為となるのでやってはダメです。


ミートといえばかつての松下電器が有名です(最近はそうでもない)ライバルが差別化商品を投入してきたら、1クール以内に同等品をキャッチアップして市場投入。あっという間に市場を占拠してしまうまことにエゲツナイやり方を得意の勝ちパターンにしていました。

自らを「マネシタ電器」と言ってはばからない堂々たる強者の戦略でした。

また、ミート戦略の代表的なやり方は「フルライン戦略」です。
商品ラインの隙間をなくし、何でも揃っている状態にします。
何でも揃っているから一番メーカー、一番店から買うのが安心で間違いないと消費者に思わせるやり方です。

何でも揃うトヨタ自動車が代表的なフルライン戦略です。
高級車・大衆車・小型車・スポーツカー・RV(レジャービークル)
・・・と商品ラインに隙間がありません。


▼弱者の追随は「愚の骨頂」▼


弱者は「差別化」を先に仕掛ける攻めの戦略、強者の「ミート戦略」は、弱者が差別化を仕掛けてきたら、
それを模倣・追随して潰していく守りの戦略です。


しかし、多くの弱者は先に仕掛けようとしません。
同業大手がやっていることを参考に、いけそうなら、いいとこどりしようと虎視眈々と狙っているのが現状ではないでしょうか。

大手追随、小判鮫商法がよくあるパターンなのです。
なぜ、マネをしてしまうのか・・・突出を嫌う国民性の影響も大きいでしょう。

また、市場が成長している時期は大手追随でも、それなりに食えました。
オコボレに預かれたのです。そのクセが抜けないのでしょう。

でも成熟期に大手追随しても「安売り」くらいしか売上確保はできません。
安売りは体力勝負なので弱者にはお奨めしません。


成熟期において、弱者は強者の追随では食えないのです。
このことを忘れてはなりません。


投稿者 戦国マーケティング : 2005年11月16日