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大石内蔵助の討ち入りに学ぶ「弱者逆転」

001.jpg冬は忠臣蔵の季節です。十二月十四日の討ち入りに向けて毎年、歌舞伎やテレビ番組で取り上げられます。我慢に我慢を重ねて主君の敵討ちを見事に果たす、この日本人が最も愛する美談は冬の風物詩といってもよいでしょう。


しかし、吉良邸討ち入りは単なる美談でありようはずがありません。吉良邸は討ち入りに備えてハリネズミのような要塞と化し、百名を超える武者が守っていました。そこに四十七人で討ち入り、敵の大将首を奪おうという企てです。しかも四十七人といっても年寄りや子供も含んでいます。戦闘力となるのは三十人程度。約三倍の敵を相手に、弱者である赤穂浪士が目的を果たすことは大変な難事業です。討ち入りを指揮した大石内蔵助の戦略・戦術とは一体どういうものだったのでしょうか?


その答えは池宮彰一郎の「四十七人の刺客」を読めばわかります。高倉健主演で映画化もされた名作です。同書を参考に大石の弱者逆転戦略の要諦を分析すると…。


第一に主導権の確保です。真冬に寝込みを襲い、武者の宿舎の扉を打ちつけ敵の体勢が整わないように、指揮命令系統が機能しないように奇襲しました。多くの敵武者は戦意喪失したといわれています。


第二に兵力の集中です。大石は必ず三人一組で敵一人と戦うように命じました。常に三対一で戦い、各個撃破していったのです。武芸に優れた敵も三人にはかないません。


こうして、味方の実態を秘匿し、敵に対して精神的に優位に立ち勢いを得る、これが第三の要諦です。


孫子に曰く、「勝者の戦は積水を千仞の谿に決するが如きは形なり」。勢いのあるものが勝つのです。


大石の赤穂藩は元禄期最高の兵学者で孫子の研究家である山鹿素行に学びました。「山鹿流陣太鼓」は討ち入りに欠かせないアイテムです。戦略を徹底的に学んだからこそ、大石は弱者逆転を果たしたのです。


投稿者 戦国マーケティング : 2005年12月 1日