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第113号 『コラム〜恵方巻きを斬る〜』

身近な話題から勝ち方の原理原則を考えるコラム
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■ランチェスターで斬る〜恵方巻きを斬る〜■■■
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▼野蛮な風習が全国区に▼


恵方巻き(えほうまき)とは、節分の日に食べるお寿司の太巻きのことで縁起物です。
関西発祥の風習で関西の人はみんな知っています。

節分の日にその年の縁起のよい方角(今年は南南東だそうです)を向いて、無言で(!?)願い事を念じながら太巻き一本を食べきる(!?)と福が来るという、とてもアクの強い風習です。

福永は20数年前、大阪の大学生のとき、この風習を始めて知り衝撃を受けました。
たまたま節分の日に友人宅へ行ったら、友人のお母上が私にそれを奨めるのです。
切り分けていない太巻きを一気食いしろと私に迫ります。
簀巻きで巻いた20センチ以上の太巻きです。

当時、お酒の一気飲みはよくやっていましたが、太巻きの一気食いに比べたらたいしたことはありません。
大阪のおばちゃんはほんまにえげつない、と思いました。


それから20数年、恐ろしいことにこの関西の野蛮な風習(ゴメン!)は全国区となってきました。

昨年はセブン、ローソン、ファミマのコンビニ大手3社だけで600万本を販売したそうな。
今年は各社とも1〜3割販売増を見込み、既に予約受付を開始しています。

お店にいって確かめてみてください。
「節分丸かぶり寿司」とか呼んでいるみたい。
正月のお餅ではないけれど、寿司をのどに詰まらせて死なせてならないとコンビニ各社は配慮しているようで、長さは短いです。
これなら一気食いも可能。


▼同盟も競争戦略の一つ▼


さて、この野蛮な風習はどうして始まったのか?

実は大阪の海苔屋さんの戦略です。

関西では古くからやられていたとの説もあるようですが、今日、恵方巻きとして生活歳時記化させた原点は大阪海苔問屋協同組合が1977年、道頓堀で行った海苔の販売促進イベントであるのは誰もが認めることです。

福永が大阪のおばちゃんにいてこまされたのは確か1983年か84年だと思います。
数年の間で大阪では一般化したのですね。


そして現代はコンビニ各社が(みんなで相談しているわけではないでしょうが)全国区の新しい生活歳時化に取り組んでいるわけです。


大阪海苔問屋協同組合はもちろん、コンビニ各社も「同盟(アライアンス)戦略」で新たなマーケットを創出しています。


思えばバレンタインもチョコレート菓子メーカーや小売店が束になって仕掛けた風習で、世界的にみて大変ユニークな生活歳時記です。
女性から男性へチョコを渡すという習慣があるのは日本くらいのものですから。
今日、チョコレートの市場の1/4はこの習慣で消費されます。


ランチェスター戦略は競争戦略ですから、基本的には同業者はライバル・敵ととらえています。
しかし、必ずしも常に同業者を敵視しなさいと指導しているわけではありません。
新たなマーケットを創出する際はパートナーにもなります。

競争と同業者との同盟は必ずしも対立する概念ではないのです。
福永は常々、同盟もまた「市場時期」によっては競争戦略の大切な戦法の一つであると主張しています。


先日、今度のスタジオジブリの映画に電通と博報堂が同時に出資して宣伝などのプロデュースを共同で行うと報道されていました。
広告業界大手のこの2社が同盟するのは始めてのケースだそうです。
でも今後は珍しくなくなるのではないでしょうか。



投稿者 戦国マーケティング : 2006年1月11日