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身近な話題から勝ち方の原理原則を考えるコラム
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■ランチェスターで斬る〜イナバウアー〜■■■
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▼荒川さんの勝因▼
荒川さんは、なぜ金メダルを獲れたのか。
福永が思うに、その理由は2つ。
1つはルールを味方につけたということ。
2つめはルールを超越するということ。
ルールというものはコロコロ変わるようでして今のルールは「何をどのレベルでやったら何点」という加算式が基本だそうです。
ですから、技の完成度によってレベルが変わるので、取りこぼしのないように、技の1つ1つの完成度を高める必要があります。
そのため、荒川さんは直前に氷上で直接指導してくれる人にコーチを変え、1つ1つの技の完成度を高め、点数の取りこぼしをなくしました。
そしてショートプログラムが終わった時点で1位から3位までの差が1点未満、と全く互角という状況です。こうなるとミスをしたものが負けることになります。
このルールでは大技の成功による一発逆転もあるのですが、失敗時の減点も大きい。
荒川さんは、この時点で3位とはいえ実質1位タイでしたから、ノーミス戦略を選択。
危ない橋を渡らず、ほぼノーミスでした。
これは強者の守りの戦略、といってよいでしょう。
以上が、ルールを味方につけたということです。
もう1つのルールの超越とは。
それはイナバウワーという背中を反らせる技です。
この技はどういうわけか、今回のルール変更で得点となる技からはずされました。
選手は限られた時間内にできるだけ多くの技をやり、得点を重ねないといけません。
そうなると、得点にならないイナバウワーをはずすのが常識。
実際、荒川さんも直前までイナバウワーを封印していました。
でも、イナバウワーはY字バランスと並んで荒川さんの得意技。
その柔軟性を活かして世界で最も美しいイナバウワーができるのです。
この直接、得点にならない技をあえて、荒川さんは五輪で入れてきました。
アマ引退の花道となる五輪では、勝ち負けを超えて、自分の個性を発揮しようと思ったのでしょう。
その覚悟をスタンドの観客は知っていたか知らずか、荒川さんのイナバウワーに観客は大歓声。
競技後のスタンディング・オベーションにつながったのです。
観客を乗せるということは審判をも乗せることになるのではないでしょうか。
全体の点数に多少の色づけがなされたと感じたのは私だけではないでしょう。
▼あなたのイナバウワーは?▼
早朝、テレビで世界最高の美しいパフォーマンスを見ながらも、福永は生臭い戦略論に思いをはせました。
ビジネスにおいてイナバウワーとは何だろうか、と。
・・・本来、あってもなくてもよいことのはずだけど、あるとないのとでは全体の印象が大違い。
あることによって、自社が自社らしく存在しうる証(あかし)・・・
たぶん、福永のイナバウワーは「歴史・戦史から戦略を学ぶ」だろうと思います。
ビジネス戦略はフィギアスケートからだって学べるわけで何も歴史や戦史から学ばなければならないことはないのです。
だけど、そこに「戦国マーケティング」なるクセのある会社名でコンサルティングを行っている福永が福永らしく存在しうる証があるのでしょう。
小売業などで「見せ玉・本命・押さえ」という品揃えの考え方がありますね。
見せ玉とは、置いておいても、ほとんど売れはしないのだけれど、
お店の感性をアピールする上で効果的な商材です。半ば装飾陳列。
坪効率だけで考えると、ないほうがよい、ということになりますがお店の独自固有の魅力づけには欠かせないもの。
さて、あなたのイナバウワーは何でしょうか?
投稿者 戦国マーケティング : 2006年3月 1日