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    第122号【フォア・ザ・フラッグ】
 

身近な話題から勝ち方の原理原則を考えるコラム
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■ランチェスターで斬る〜フォア・ザ・フラッグ〜■■■
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▼フラッグ効果▼


フォア・ザ・フラッグ。

この言葉はアテネ五輪のとき、野球の長嶋ジャパンがスローガンにした言葉です。フラッグとは旗。この場合は国旗を意味します。つまり「お国のために」という意味です。

お国のために頑張ろう!勝とう!という意味ですが、フォア・ザ・フラッグと言い換えると、何ともかっこいい感じになるから不思議。


さて、WBC王ジャパンは王監督のキャラが真面目なせいかそういったスローガンはありませんでしたが、「日本の野球の将来のために」と語っていました。

出場選手としては日本代表としてリアル・ワールド・チャンピオンを決める大会に出場するのですから「フォア・ザ・フラッグ」だったはず。

ただし、日本代表の4番に最もふさわしい松井秀喜には辞退されるしオールスターというには彼もいない、誰それもいない・・・と、いささか地味。大会自体に不具合もあり、始めはイマイチ盛り上がりに欠けていました。

そんな中、イチローはプレーだけでなく、チームリーダーとしてグランド外の発言などでも大活躍。こんなに多弁で感情をあらわにするイチローは見たことがありません。

個人主義で寡黙な男というイメージの彼が、ここまで熱い男になったのはまさにファア・ザ・フラッグ。日本代表のユニフォームを着て戦うということが彼を変えたのです。

「背負っているものが、モチベーションをあげている」とインタビューでも答えています。

このイチロー効果がWBCを尻上がりに盛り上げ、高視聴率を叩き出し、ドラマチックな世界一を呼び込んだのです。


▼フラッグとは理念▼


ビジネスに置き換えて考えて見ましょう。国策産業や、国益にからむビジネスは、そのままの意味でしょうが一般のビジネス・商売の場合は「フォア・ザ・フラッグとは『理念のために』」と置き換えられます。

前号で差別化は、最後は「理念」である、理念こそ最強の武器であると申しました。
http://www.sengoku-blog.biz/mt-cgi/archives/2006/03/121.html 

理念という旗のもと戦うのと、そういう旗なしに戦うのと、その違いはイチローを見るまでもなく明らか。

理念こそ、企業経営の原点であり根幹です。理念とは、顧客にとっての自社の存在価値であり、信頼感・競争力の源泉。

理念への共鳴によるモチベーションはパワーが違います。まさに「錦の御旗」です。「フラッグ効果=イチロー効果」です。

そして、理念は社員の行動規範となって表現されるので意思決定の判断基準になります。


ところが多くの企業は、理念をないがしろにしています。

というか、よくあるパターンとしては、本当は経営者の気持ちの中には、独自固有のすばらしい理念があるのだけれど、それが表現されていません。成文化されているのは、とってつけたうたい文句のようなもの。

つまり本当の理念は経営者のココロの中にあるが本人も気づいていません。もちろん社員には伝わっていません。そして建前の理念が応接室の額縁に飾ってあるけど、誰も見向きもしません。

誠にもったいない話ですね。


▼フラッグの立て方▼


なぜ、そんなことになってしまうのか。

それは理念を建前で作るからです。それに差別化(独自固有)という考えなしに作るからです。


ちょうど今、福永はコンサルティング先の企業グループの理念づくりに携わっていますが、何のためにビジネス・商売をやっているのか、まずは本音から発想してもらいました。本音は生々しく、ドロドロしていて、表に出しにくいことですがそれだけに、ここを確認しないと、上っ面のものになるのです。

そして、自社の社会の中での独自の存在価値はいったいどこにあるのか。ここを見つけ、本音とぶつけ合います。

その上で、自社が、あるいは経営者が、会社運営の中で大切にしてきたことは何か。思想・哲学というと難しくなるので、どういう「思い」や「こだわり」でビジネス・商売をしてきているのか。特に他社との違いや自社の独自性を意識して再確認します。

それが経営哲学(信条=クレド、マネジメントポリシー)となります。

経営哲学のフィルターで本音を通すと、それはヴィジョンに昇華されます。社会性の部分はキレイ事ではなく、実務的で独自性のある使命(ミッション)に。

最後に、これらのマインドをいかに行動に移していくのか、行動規範にブレイクダウンすれば理念は出来上がります。


うたい文句ではない、最強の競争力である本物の理念のフラッグをたてることができるのです。