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    第124号【ご当地ソングの女王】
 

身近な話題から勝ち方の原理原則を考えるコラム
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■ランチェスターで斬る〜ご当地ソングの女王〜■■■
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▼ご当地ソングに活路を見出す▼


昨年の大晦日のレコード大賞は“エロカッコいい”倖田來未でした。セクシー歌手(!?)の受賞は47回のレコード大賞史上初めてとのことで驚きとともに、お父さんの鼻の下を伸ばしました。


そのド派手パフォーマンスの陰に隠れて、あまり目立ちませんでしたがデビュー10年目の演歌歌手、水森かおり(32)が最優秀歌唱賞に選ばれました。


水森かおり・・・ご存知でしょうか。彼女こそ、知る人ぞ知る、いえ一部地域では圧倒的な知名度を誇る“ご当地ソングの女王”なのです。


水森かおりオフィシャルサイト
http://www.tkma.co.jp/tjc/enka/mizumori/ 


1973年、東京都北区出身
1994年、山川豊の妹分コンテスト出場
1995年、「おしろい花」でデビュー。


歌はもちろん上手いですが、上手いのが当たり前の演歌界では普通レベル。藤あや子のようにビジュアルで勝負できる玉でもありませんしヒット曲もないからテレビの出番も少なく、瀬川映子のようにバラエティ番組で食べていけるわけでもありませんでした。


まったく売れないわけでもないので、廃業の危機に瀕してはいないけれどパッとしない中堅どころ、というポジションでした。


そんな演歌界でのポジショニングを変えるために、彼女は「ご当地ソング」に活路を見出します。


99年「竜飛岬」、00年「尾道水道」このあたりはまだ火がつきません。01年には普通の演歌に戻りますが、やっぱり「ご当地ソングしかない」と覚悟を決め


02年に出した「東尋坊」が30万枚のヒット。
03年「鳥取砂丘」が50万枚のヒットで、紅白歌合戦に初出場。
04年「釧路湿原」、05年「五能線」と連続ヒットで昨年末まで3年連続紅白出場を果たし、レコード大賞最優秀歌唱賞に輝く。


そして、今年は本日4/5に新曲「熊野古道」を発売します。


▼弱者のプロモーション戦略▼


ご当地ソングというと、ご当地にしか売れないのでは。なんでわざわざ、販路が狭まるようなやり方をするのか?


・・・こう感じるのは戦略を知らない人ですね。やばいです。当誌のバックナンバーを読むか、拙著を読むなどしないと危険です。
http://www.sengoku-blog.biz/
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4534039107/sengoku-22/ref=nosim


強者なら、そういう発想でOKです。でも、今の演歌界でそういう発想をしてもよい人はいるでしょうか。


ご当地ソングはご当地で売れます。自分たちの歌ですから親近感が違いますが地域密着のプロモーションを徹底するから売れるのですね。


地元でのコンサートやイベント出演。レコード店、カラオケ教室を足で歩くローラー作戦で各個撃破していきます。まさに弱者の「局地戦、接近戦、一騎打ち戦」です。


それと同時に、地方公共団体にとってもご当地ソングはありがたい存在です。住民サービスにはうってつけですし、地元へのロイヤリティが高まり、地域が活性化します。それと何よりも観光客が増えるということです。


水森かおりの歌を聞いて、私は昨年、どうしても釧路湿原に行きたくなりました。何度か訪れているところですが、また行きたくなり行ってしまいました。今年の熊野も何度か訪れているのですが、たぶん、また行きたくなるでしょう。五能線(世界遺産白神山地の海側を走り、秋田⇔青森を結ぶ路線)にも、いつか、かならず乗るでしょう。


水森演歌の舞台は本当にシビレルところばかりなのです。


ですから、間違いなく観光客は増えます。水森さんの事務所には「鳥取砂丘」で紅白に出て以降全国各地の地方自治体から、地元を歌って欲しいとの依頼が殺到しているとのこと。


だから、地元をあげて応援してくれる→売れる→観光客が増える・・・と善循環が回転していくのです。


彼女には毎年一地域のご当地ソングを一曲、一年かけて歌うという今のパターンをかたくなに守ってもらいたいと思います。


弱者の戦略の原理原則にかなうやり方なのでこれを20年続ければ、必ず歴史に残る大歌手=強者になれるはず。