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経営戦略のバイブル

第139号【JTBの逆襲】

身近な話題から勝ち方の原理原則を考えるコラム
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■ランチェスターで斬る〜JTBの逆襲〜■■■
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▼No.1それ自体が宣伝材料▼



前号でお伝えした通りhttp://www.sengoku-blog.biz/mt-cgi/archives/2006/07/138.htmlHISが「旅行会社単体」の「海外」の「取扱い人数」ベースでついにガリバーのJTBを抜き、1位に躍り出ました。そしてこの統計が発表された直後の7/12、HISは一面カラーの新聞広告を掲載。
お客さんへの感謝状という体裁はとっていますが、高らかにNo.1宣言をしたわけであります。http://www.sengoku.biz/news/his.gif当社は一番、1位、No.1であるというアピールほど効果的な宣伝材料はありません。
1位は単に2位の1ランク上、という存在ではありません。
業界を、地域を代表する存在です。
日本一の山が富士山であることは誰もが知っていますが、二番目に高い山が何山であるかを知る人はごく稀です。
だから、多くの1位企業は、これを宣伝材料にしているのです。
そして【1位極大化の法則】【1位倍増の法則】といわれるように他を圧倒していくのです。
ですから下記、三井のリハウスのようにNo.1を宣伝材料にする会社は後を絶ちません。http://www.sengoku.biz/news/mitui.jpg▼No.1のルール▼


ただしNo.1宣言にはルールがあります。
第一に、何をもって一番なのか、その根拠を示す必要があります。
感覚的な、主観的なNo.1宣言は新聞やテレビ広告の場合、広告審査を通りません。
折込や看板など審査がなくても、根拠があいまいであれば公取などの指導を受けることもありますので、まともな会社はマス広告以外でも第三者機関の客観的数値の出所を明示するものです。
第二に根拠が示されていれば、総合1位である必要はありません。
一部分の1位であれば、その部分を明示してNo.1宣言をすればよいのです。http://www.sengoku.biz/news/asahi.gifビール業界は今、総合的にはアサヒとキリンが激しく1位争いをしていますがビール単体ならアサヒが圧勝しています。上記はそれを主張しているわけです。
ちなみに発泡酒ならキリンが圧勝しています。
映画の広告で「全米No.1!」、書籍のPRで「アマゾン1位!」とよく聞きますが、それは瞬間という期間限定でのNo.1です。
事実であれば、どんな小さなNo.1でも問題ありません。
堂々と告知してよいわけです。
拙著も発売時に瞬間的に「アマゾンのビジネス書で1位」という局地的な1位を取りましたことをメルマガで書いたと思います(苦笑)
●ランチェスター戦略『弱者逆転』の法則 (おかげさまで6刷)
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4534039107/sengoku-22/ref=nosimですから、HISは「旅行会社単体」の「海外」の「取扱い人数」ベースという「部分1位」であることを明示してNo.1宣言をしたわけです。
ランチェスター大好き人間の澤田さんですから、当然の手法です。
▼ガリバーがミートしてきた!▼


しかし、面白くないのは総合ダントツ1位、ガリバーのJTBです。
「子会社も含めた旅行会社グループ」では1位ですし「国内外併せても」1位ですし、もちろん「取扱い金額」ベースでも1位です。
HISのまぎらわしい広告を見て、ふざけるな! と思ったことでしょう。
HISがNo.1宣言をしたわずか2日後の7/14に、No.1宣言広告を打ってきました。http://www.sengoku.biz/news/jtb.gif業界のリーディングカンパニーとして品格溢れる広告表現で「HISなんて全く意識していませんけど、それがなにか?」といわんばかりのおすましぶりです。
ですが、日本中の目はごまかせても、この福永にはわかりますぞ(笑)
HISのNo.1宣言を、ぶつけて潰しにかかった強者のミート戦略だってことが。
HISのNo.1は部分的なものであって海外旅行取扱い金額ベースではマーケット・シェアがやっと10%に達したところ。JTBとの差は約3倍。
(前号で√3倍以内と書いたのは誤りです。お詫びして訂正します。 前期、JTBは企業買収などでグループとしてのシェアをアップさせています)
シェア10%を超えてきたら本格的なシェア争いに突入します。
同業の中でその存在が目立つので上位企業から叩かれはじめるのです。
上位が下位を叩く基本戦略はミート戦略です。
模倣、追随ということですが「ぶつけて潰す」ニュアンスを強調してランチェスター戦略ではミートといいます。
HISは部分的なNo.1という“ミニゴール”に到りましたがこれから上位企業が本気でミートしてくるなか、次なるゴールを目指さなければなりません。
シェア10%の次なる目標は20%です。
この間はシェアアップの最も苦しい戦いとなることから「シェアアップの胸突き八丁」と呼んでいます。


投稿者 戦国マーケティング : 2006年7月26日