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経営戦略のバイブル

第148号【言語感覚の鋭いものが勝つ】

身近な話題から勝ち方の原理原則を考えるコラム
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■ランチェスターで斬る〜言語感覚の鋭いものが勝つ〜■■■
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▼安倍新総理の言語感覚を斬る▼



安倍新総理の所信表明演説を聞いて、読者諸兄はどう思われましたか?

福永は就任直後の記者会見は「悪くはない。が『書き言葉』なのでインパクト弱し」と思いました。勝手ながら一応及第の65点。
所信表明演説は「良くはない。イノベーションだの、オープンだの横文字が空虚で、あいまい」。勝手ながら落第の45点。

安倍さんの言語感覚は“並”ではないか。
総裁選でキラリと光った麻生太郎さんのほうが、この点では上ではないでしょうか。

小泉さんの言語感覚は歴代総理の中でもトップクラス。
というか、彼の師匠である福田赳夫さん以来の鋭さだと思います。
40歳未満の方にはピンと来ないかもしれませんが、福田康夫元官房長官の親父さんの言語感覚は史上最強ではないでしょうか。

「昭和元禄」「狂乱物価」「日本経済は全治3ヵ年」「明治38歳」
「人命は地球よりも重い」「視界ゼロ」「さあ働こう内閣」「福田ドクトリン」
「世界が福田を必要としている」「天の声にもときには変な声もある」

惜しむらくは、福田赳夫さんの時代は「空中戦」よりも「地上戦」のほうがより効果的だったということ。田中角栄さんというバケモノがいたこと。
だから短命政権だったのではないでしょうか。

参考⇒ http://blog.mag2.com/m/log/0000123558/106797787.html?page=2
(コラムと編集後記をご覧ください)


▼艶女(アデージョ)の妖艶▼



メディアという言葉をあやつる業界にあって、その類稀なる言語感覚で他を圧倒する存在感を発揮しているのが主婦の友社の雑誌「NIKITA(二キータ)」。

流行語「ちょい悪オヤジ」を生んだ「LEON(レオン)」の姉妹誌として

【あなたに必要なのは“若さ”じゃなくて“テクニック”】

のスローガンのもと、2年前に創刊。

30代の貫禄(!?)あるモテ女性のことを【艶女(アデージョ)】と呼び艶女のモテライフのための雑誌です。

若さだけがとりえの女性を【コムスメ】と敵愾心をむき出しにして地味なモテない30代を【駄目女(ダメージョ)】【地味婆(ジミーバ)】、派手なだけで品のない30代を【派手婆(ハデーバ)】をさげずむ。

貫禄あるモテ男が【艶男(アデオス)】で、レオンのちょい悪オヤジのこと。

まだまだ。こんなもんじゃないぞ。

【艶尻(アデジリ)】
大人のオンナならではのボリュームあるお尻を、あえてファッションの武器にして魅力的に見せようということから名づけられたもので、コムスメにはない艶女の魅力。

【乳間(にゅうかん)ネックレス】
胸元を大きく開けて、そこに大きな宝石のネックレスをつける。
そうすると男性はまず、その宝石に目を奪われる。
それから視線はラインに沿って自然と下に向かい、胸元にまで達してしまう、という艶女のモテ・テクニック。


・・・いやはやなんとも。
読者対象外の福永には艶女と露出狂の派手婆の違いはわかりませんし、やりすぎは「逆セクハラ」だと思うのですが、どうでしょうか。

でも、この雑誌、受けています。
発行部数も伸びていますし、それ以上に広告が本当にたくさん入っています。


▼男前豆腐の男気▼



ビジネスの世界で、最近、最も言語感覚が鋭いな、と感じますのは【男前豆腐】ですね。

ざる豆腐にようにふわふわの豆腐は水を切ることによって旨くなる
⇒水切りができるようにパッケージの底を二重にしてみよう
⇒水も滴るいい豆腐
⇒水も滴るいい男
⇒男前豆腐

「男」という文字にヤンキー風ハードボイルドな黒々としたデザイン。
決して豆腐売り場にあってはならない(!?)ドギツイ豆腐。

これが受けました。同社は次々に奇抜なネーミング、パッケージの商品を投入していきます。

【風に吹かれて豆腐屋ジョニー】
【喧嘩上等やっこ野郎・・・生ビールとお前がいればそれでいい】

やりたい放題ですな。
でも、これで年商50億円ですから。


▼テクニックだけではダメ、でもテクニックがなければ▼



ただし、ニキータも男前豆腐も、奇をてらっただけの存在ではありません。

ニキータは「若くなくてもモテたい。ダイナマイトなバディでもいいじゃない。ド派手でなにが悪い、ファッションや生活を楽しみたい」という30代キャリア女性の心を開放させる、という使命と、読者層の重点化、誌面づくりの差別化という戦略の上で、極めて有効な戦術的なキャッチコピー、スローガン、キーワードを
使っているのです。

男前豆腐も、旨い豆腐を食ってもらいたい、という使命感と中身も見せ方も価格帯も差別化した戦略上、必要なネーミング&パッケージ戦術なのです。


テクニックだけではダメなのです。
同時に志が高く重点化・差別化の戦略があっても、テクニックがなければブレイクしないのです。


投稿者 戦国マーケティング : 2006年10月 4日