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身近な話題から勝ち方の原理原則を考えるコラム
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■ランチェスターで斬る〜勝者敗因を秘し、敗者勝因を蔵す■■■
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▼流山が発展しなかった理由▼
千葉県流山市は東京近郊にありながら、田舎のムードを漂わせる街です。
近隣の松戸市(人口48万人)、柏市(38万人)に対して、人口15万人です。
松戸、柏は東京のベッドタウンとして著しい発展を遂げたのを尻目に流山は、長く停滞の時代が続きました。
それは、幹線鉄道「JR常磐線」が松戸→柏ラインを走り、流山がはずれていることが唯一にして最大の原因です。
これまで流山は幹線路線から「総武流山電鉄」という路面電車や、「JR武蔵野線」というマイナー路線(失礼!)へ乗り換える必要がありました。
この不便さが地理的には充分に東京通勤圏にありながら、時間的あるいは精神的な距離感から、ベッドタウンとしての発展を妨げていたのです。
おまけに「すすめ!パイレーツ」でのトホホなイメージが30年前からありますから、なぜ、新撰組は、そんなところで再挙を図ろうとしたのか、「貧すれば鈍する」法則にはまったのか、と福永は長年、疑問を持っていたのです。
でも、現地を訪れて納得しました。
▼流山こそ東葛地域の中核▼
江戸時代の流山は、江戸川船運の水陸交通の要衝であり、みりんの産地として、松戸・柏などの下総の国・東葛飾郡(現在の千葉県東葛地域)の中核都市だったのです。
江戸時代、東北の太平洋側の産品は、航海技術上、銚子沖の九十九里・房総周りよりも、銚子から利根川を登り、佐原や野田の関宿を経て、流山に到り、江戸川をくだっていくルートが大動脈だったのです。
その中心に位置する流山は豊かな都市でした。
新撰組は、流山の酒造家「長岡屋」に本陣を提供してもらい、幕兵を募ったのです。
流山は新撰組が目をつけるだけの財的、人的、地勢的な条件を満たす戦略上の要衝だったのです。さすが、土方歳三!
その証拠に、明治維新の後、廃藩置県となり、流山は葛飾県→印旛県を経て千葉県に一本化されるのですが、葛飾県、印旛県時代の県庁は、流山にあったのです!
松戸でも、柏でもなく、流山が東葛地域の中核だったのです。
▼常磐線「幻の三郷・流山ルート」伝説▼
しかし、流山はその後、近隣に比べて発展が遅れました。
その理由は、先述の通りJRや東武の幹線路線が通らなかったからです。
流山に一つの伝説が伝わっています。
明治29年、JR常磐線の前身が開通しましたが、この路線、元々は「北千住→三郷→流山→柏」というルートで計画されていたが、水運で栄えていた流山の人たちが「鉄道が通ると水運が廃る」と激しく反対したため、現在のルート「北千住→松戸→柏」に変更になったという。
常磐線「幻の三郷・流山ルート」伝説です。
真偽のほどは福永にはわかりません。
中仙道沿いに京浜東北線&高崎線が走り、日光街道沿いに東武伊勢崎線が走り、水戸街道沿いに常磐線が走っていることからすると、「北千住→松戸→柏」ルートは水戸街道沿いですから、おさまりがよいようには思います。
とは思いますが、多くの流山の人が、この伝説を信じている事実は重い。
▼110年遅れたがゆえに実現するLOHASな街づくり▼
流山は水運で栄えた街。水運時代の強者です。
だから、水運が廃ることを恐れて、時代の変化への対応が遅れました。
人間万事、塞翁が馬。禍福はあざなえる縄のごとし。盛者必衰の理をあらわす。
成功は失敗の父。
・・・と言い方はいろいろありますが、要するに「勝ちすぎは負けのはじまり」です。
逆にいうなら「負けすぎは勝ちのはじまり」でもあります。
失敗は成功の母。
首都圏最後の開発余地として、三郷・流山が残りました。
そして、流山は、東京近郊でありながら絶滅危惧種「オオタカ」が生息する森林もあります。時代のコンセプトLOHASな街です。
つくばエキスプレスが開通し、流山は3駅も駅ができました。
秋葉原から30分以内です!
環境共生型の21世紀にふさわしい街づくりが進んでいるようです。
常磐線「幻の三郷・流山ルート」伝説から110年。
110年遅れたがゆえに実現する、近い上にLOHASな街づくり、楽しみですね。
☆今回は都市を例に「勝者敗因を秘し、敗者勝因を蔵す」ことを語りました。
ビジネスに置き換えても同じですね。たとえば
キリンビールも松下電器も80年代・90年代は苦戦しました。
それは流通チャネルの主役が、酒屋・電器屋から、量販店・ディスカウンターに移ろうとする時代の流れに、強固に築いた流通網がスケール・デメリットになり対応が遅れたからです。失うものの少ないアサヒビールやソニーは新たな流通網にいち早くシフトできました。
環境変化は弱者逆転の千載一遇のチャンスです。
今、読者諸兄の業界で起きている外的機会、環境変化の兆しは何ですか?
投稿者 戦国マーケティング : 2006年11月29日