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こんにちは。弱者逆転を使命として一点突破のマーケティング、販売戦略のバイブルともいわれるランチェスター戦略を伝道しているコンサルタントの福永雅文です。これから起業弱者が勝ち残っていくための戦略を17回に分けて書きます。
なおこのコラムはリクルート社の起業雑誌「月刊アントレ」発行のメールマガジン「アントレ・ネット」に06年8月から07年3月の間、隔週で福永雅文が17回にわたって連載した「起業弱者のサバイバル戦略」を一部改訂し、一挙大公開するものです。一人起業を目指す方はもちろん、小さな会社の経営者のためのレポートです。事例中心に語りましたので、具体的で読みやすいと思います。どうぞお役立てください。
まずはランチェスター戦略を活用して起業に成功した事例をいくつか、ご紹介していきましょう。
ソフトバンクの孫正義さんの場合。
孫さんは1980年から81年の頃、起業にあたって、1年半をかけて40種類の事業プランを考えます。そして25の判断基準や戦略コンセプトを用意して、プランを比較検討し、一つの事業で起業することに決めました。その中でも事業選択に強い影響を与えた判断基準は次の5つの漢字です。
「一」「流」「攻」「守」「群」
なかでも一番重要な項目は冒頭の「一」です。その意味は次の通りです。
「一番になれないことは初めからやらない」
孫さんは二番は敗者である、一番でなければ意味がない、という戦略思想をお持ちなのです。
次の4項目は「これから自分が生涯をかけて取り組むにふさわしく成長するのか、流れに乗れるのか(「流」)、起業時点では弱者であり、弱者の戦略は先に差別化を仕掛ける攻めの戦略である(「攻」)、業界一番になったら強者の戦略でその地位を守る(「守」)、そして一つの事業領域の中に次々と一番になれる事業を群れのように立ち上げていく(「群」)」というものです。
そうなったら各一番事業は相乗効果をあげて支配力を高めていくだろうから、孫さんはこの判断基準を「孫の二乗の法則」と名づけました。実はこの5項目こそがランチェスター戦略の考え方そのものです。ランチェスター戦略の原点であるランチェスター法則は別名「n二乗法則」と呼ばれており、それを孫さん流に応用したことからも二乗の法則と言っているのです。
こうして孫さんはパソコンソフトの卸売業で起業します。後にインターネット財閥ナンバーワンとなるソフトバンクグループの起業戦略のエッセンスです。
孫さんの起業戦略に私たちが学ぶべきは、一つ目には何をなすべきなのか、自分自身で判断基準を持つこと。孫さんは「孫子の兵法」と「ランチェスター戦略」に学び、それを自分流に応用しました。二つ目は、起業時点では誰もが0からのスタートなので「弱者」であること。起業前にどこに勤めていて、実績や人脈がどうの、という強者意識こそ起業の成功を損なうものなのです。
そして三つ目が将来「一番」になれることで起業すべき、ということです。本誌でこれから解説していくランチェスター戦略の結論も、ナンバーワン主義です。
「では一番になるためにはどうしたらよいのか」次回は孫さんと同じ頃、ランチェスターを学びながら起業し、ついに旅行業界で弱者逆転して一番になったHISの澤田秀雄さんの事例で解説しましょう
投稿者 戦国マーケティング : 2007年8月11日