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    No.221 創業400年の接近戦
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第221号━2008/07/02━━━
        ランチェスター戦略『一点突破の法則』       31,157部
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     ランチェスター戦略コンサルタント 福永雅文 発行

(1)ランチェスターで斬る・・・「創業400年の接近戦」
(2)お奨め情報
(3)近況報告・・・月刊「経営者会報」での連載「小が大に勝つ戦略」楽しいです
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我が国には300万以上の会社がありますが、
創業400年以上はわずかに150社です。

今号コラムで紹介する創業400年以上の企業の社長は
幼少の頃から帝王学を学んでこられたように感じました。

リーダーは帝王学を学ばなければなりません。
私(福永)も勉強しています。まずは試聴を。


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7月に入りました。今年も後半戦に突入ですね。

小が大に勝つ弱者逆転を使命とし、一点突破のマーケティングである
「ランチェスター戦略」を伝道しているコンサルタントの福永雅文です。


先日、経営者の勉強会で、創業400年を越える山梨県の
「株式会社印傳屋上原勇七」さんに訪問し、十四代目社長と専務の
お話を伺い、ディスカッションいたしました。

今回は、そのときに感じたことを書きます。


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(2)ランチェスターで斬る ■創業400年の接近戦■
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   なぜ、多くの伝統工芸・産業が衰退しているなか、繁栄しているのか?
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「甲州印傳」とは、鹿皮に漆で模様をつける技法で、
国の伝統工芸品にも指定されている袋物、バッグなどの革製品です。
この技法は初代上原勇七が16世紀に創案しました。

柔らかい鹿皮に漆で綺麗な模様をつけ、柔らかいけれど丈夫で剥がれません。
摩訶不思議な技法なので「印度伝来」などと語り継がれたことから
「印傳」と称されるようになりました。

天正十年(1582年)には甲斐の国で勇七は「印傳屋」を営んでいました。
以来、今日まで、創業なんと426年です。
http://www.inden-ya.co.jp/ 

全国に伝統工芸、地場の伝統産業は数あれど、
その多くは衰退していて保護の対象となっています。

しかし「印傳屋」は甲府のほか東京青山・大阪心斎橋に直営店を展開。
全国の有名百貨店や専門店でも人気のある「ブランド」として有名ですね。

では、なぜ多くの伝統工芸・伝統産業が衰退しているなか
印傳屋さんは400年以上も繁栄しているのか、
それを学びたくて、我々は訪れたのです。

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            時代の要請に応え続けた印傳屋
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「印傳屋」は、はじめ武具・甲冑を作っていました。1582年頃からです。
死と隣り合わせの武将は衣裳には機能とともに強烈な美意識をもっていました。
そんな武将たちの美意識に初代勇七は、よく応えたのでしょう。

しかし、やがて戦争の時代は終ります。
1615年、大阪落城をもって家康は平和宣言をします。
世に言われる元和偃武(げんなえんぶ)です。

そうなると武具甲冑の需要は落ち込みます。
「印傳屋」は財布、合切袋など、袋物製造業者に転換します。
江戸期から昭和30年代にかけて「印傳」は地元で買い求められるほか
甲州商人が行商で全国に商っていました。

甲州商人は印鑑をメイン商材にしていましたが
印傳は印鑑入れとして重宝されたのです。

ただし明治以降は人々の暮らしは洋式化していきましたので
需要が拡大することはなかったのではないでしょうか。
代々、印傳は一子相伝の秘法として当主・上原勇七一人が
作り、行商人に卸して販売するという典型的な家業でした。

昭和40年代になると、観光地の旅館やホテルの土産物屋に
置いてもらうようになります。国内旅行ブームに乗るのです。
家業から事業へと印傳も脱皮します。

しかし、昭和50年代になると、旅行は海外が主流となり
国内の温泉地でお土産ものを買い込むような客は減りました。

そこで十三代目上原勇七(現会長)さんは、都会の百貨店に
置いてもらうことを考えます。
脱土産物、ファッションブランド化を企てるのです。

しかし、2、3の百貨店で取り扱いが始まりますが、広がりが見えません。

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           弱者は自ら売り切る力を持て
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そこで十三代目は甲府のほかに、昭和56年、東京・青山に直営店を出店します。
ファッションの最先端をいく青山界隈の人々が、印傳の魅力を感じます。
甲州印傳の名は単なる伝統工芸ではなく、
日本発・世界で通用するファッションブランドであるとの評価を受けるのです。

また、これまでは和装小物としての革製品でしたが
青山店での顧客の反応から、洋装でも活かせるデザイン、バッグなどの
開発に力を入れ、商品ラインを拡大、あるいは見直しをしていきます。

今日では全国の多くの有名百貨店や専門店で販売され、繁栄しているのは
前述の通りです。


印傳屋は鹿皮に漆で模様をつける技法以外には手を出しません。
初代が創案した技法に徹し、他の誰もが太刀打ちできないほどに極めています。
一方、生み出す製品は時代の要請、消費者のニーズに応え、
常にバージョンアップしてきています。

そして売り方については一貫して自社ブランドです。
大手メーカー、有名ブランドのOEM(下請け)は一切やっていません。
卸売りもやっていますが、直営店を重視し、卸頼りの販売ではありません。


多くの伝統工芸・伝統産業が衰退していったのは
その多くが大手メーカーの下請け、大手卸問屋の言いなりとなり
自らがブランドという付加価値を持とうとしなかったからではないでしょうか。
すなわち、差別化できていない、と私(福永)はとらえています。

印傳屋には、その優れた技術、独自の表現力があるので
世界中の有名ブランドからOEMや素材の提供のオファーが絶えません。
しかし、対等のコラボレーションでなければ、全てお断りしているとのこと。

メーカーや卸の言うとおりにしていたら、量的な拡大は容易でしょう。
でも、それをしなかったがゆえに400年の時を超えて、今、
光り輝く存在でいられるのではないでしょうか。


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月刊「経営者会報」での連載、「小が大に勝つ戦略」
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やり方次第で「小が大に勝てる」ことを伝える使命感に燃えて取り組んでいます。
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この連載があるのでメルマガ発行を隔週にしました。

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発行人 : ランチェスター戦略コンサルタント 福永雅文
       戦国マーケティング株式会社 代表取締役
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 ただし、引用して使用なさる場合は発行人までお申し出くださいませ。
*謝辞
ランチェスター販売戦略は、昭和45年に故田岡信夫先生が
ランチェスターの戦争の法則から初めて導き出したビジネスの戦略思想です。
「勝ち方には一定のルールがある、その基本的思想をランチェスター法則
から学び取れ」が先生の一貫した主張でした。
そして先生は、ランチェスター法則をすべての戦略哲学の中核に据え、
複眼的で弁証法的な発想と、知的な論理の展開法を重視し、
今日のランチェスター販売戦略の全体系を築きあげました。
本誌発行人・福永雅文は本誌を発行するに当たって
先生の先駆的業績に敬意を払い、ここに衷心より感謝の意を表明します。
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