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経営戦略のバイブル

No.234 ランチェスター戦略学会報告〜コトラー、ポーターと比較

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第233号━2008/12/17━━━
        ランチェスター戦略『一点突破の法則』       30,654部
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      ランチェスター戦略コンサルタント 福永雅文 発行

(1)お知らせ
(2)ランチェスター戦略学会報告〜コトラー、ポーターと比較
(3)お奨め書籍
(4)近況報告・・・・・・・・・次号は1/7発行
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  一度、聞いてみてください。

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小が大に勝つ弱者逆転を使命とし、一点突破のマーケティングである
「ランチェスター戦略」を伝道しているコンサルタントの福永雅文です。

「ランチェスター戦略学会」が発足し、
11/24、明治大学(東京・御茶ノ水)にて
第一回目の研究大会が開催されました。

紅葉の秋、三連休の最終日だというのに100名以上の方が集まり
朝から晩まで勉強しました。激しい議論もありました。

光栄なことに私(福永)も、学者の方々に混じり、
コンサルタント実務家として報告をしました。
報告内容ダイジェストは前号に書きました。
http://www.sengoku-blog.biz/mt-cgi/archives/2008/12/no233.html

それに対して、首都大学東京の小泉徹教授が討論をしてくださいました。
https://www.ou.tmu.ac.jp/web/open/koizumi/ 
大変鋭いご指摘をいただきました。

ランチェスター戦略の今後のバージョンアップの方向性に
貴重な示唆となりました。

この示唆と、それに対する私の意見を今回は書きました。
コトラー、ポーターとランチェスターとの比較など
勉強熱心な読者には、刺激的なテーマです。

ですから今号と次号はコラムは休み
ちとかたい内容になりますが、ご承知おきくださいませ。


その前に、(1)お知らせ                         
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●ランチェスター思考 競争戦略の基礎(福田秀人著 ランチェスター学会監修)
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4492556249/sengoku-22/ref=nosim   

ランチェスター戦略学会発足を記念して、同学会副会長の福田秀人
立教大学大学院教授が、軍事理論も含めて学術的にランチェスター戦略を論じます。
恐れ多いことですが、福永も4ページ寄稿しています。東洋経済新報社

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●第27期ランチェスター専門研究コース 開講中 東京駅前
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毎月1回×6ヶ月でランチェスターをマスター。途中参加可。福永が内容責任者


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(2)ランチェスター戦略学会報告 ■コトラー、ポーターと比較■
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             小泉教授からの三つの質問
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小泉教授の福永への質問要旨は次の三点。

1.ランチェスター戦略はライバルとの市場の奪い合いが強調されているが、
  マーケティングは顧客視点で需要の創出をするものである。
  その点はどうか。

2.ランチェスター戦略は競争地位を弱者・強者と2類型しているが
  コトラーはリーダー、チャンレンジャー、ニッチャー、フォロワー
  に4類型している。4類型では量的経営資源(ヒト、モノ、カネ)、
  質的経営資源(技術、ノウハウ)を軸にしている。その点はどうか。

3.ランチェスター戦略は同業他社との競争が強調されているが
  ポーターは同業他社以外に、新規参入者、代替品、売り手、買い手を
  を挙げ、5つの競争要因として論理化している。その点はどうか。

以上、今日のマーケティング論、競争戦略論の基本的な立場で
ランチェスター戦略を捉え、位置づけようとする、
真っ当な質問をしてくださいました。

それについての福永の解答ダイジェストは次の通りです。

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             顧客視点と需要の創出
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ご指摘の通り、確かにランチェスター戦略は顧客視点と需要の創出
という今日のマーケティング論の中核的テーマへの言及が充分では
ありません。

ランチェスター戦略の専門家である私・福永は、
田岡理論の解釈を拡大、理論強化し、今日のマーケティング論に対応しています。

顧客の視点については「接近戦」という概念で捉えています。
接近とは顧客、エンドユーザー、消費者に近づくという意味です。

これまで、流通経路の短縮化または川下作戦を展開するなどの
流通戦略上の概念と、顧客とのコミュニケーションの深さや頻度の向上
といった戦術レベルの概念として捉えられていました。

これを顧客視点の思考をしていく理念レベル、戦略レベルで捉えていくべき
と私・福永は主張しています。
顧客視点は弱者・強者の違いなく取り組むべきテーマですが
特に弱者は顧客視点が強者に劣っているようでは勝ち目はありませんので
弱者ほど重視すべきでしょう。


需要の創出については、強者の「誘導戦」、弱者の「差別化」という概念で
捉えています。差別化とはこれまでにない製品や売り方をすることですから
需要を創出することになります。

強者の誘導戦とは先手必勝で新たな需要を開拓する意味です。
強者の場合は需要が喚起されれば、一番恩恵を蒙ります。
たとえばミツカンはポン酢醤油の用途を鍋料理以外に
お刺身や焼き肉に拡大させようとしています。

このように需要の創出は強者にとってより重要で本質的な課題となります。

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            コトラーVSランチェスター
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コトラーのリーダー、チャンレンジャー、ニッチャー、フォロワーの
4類型に対してランチェスターは弱者と強者の2類型です。
対比させるとリーダーが強者で、チャレンジャー、ニッチャー、
フォロワーが皆、弱者となり、一見、とても原始的です。

コトラーのような量的側面、質的側面がないように思われますが
量と質についてはランチェスターの法則の兵力数と武器効率ですから
充分な研究がなされています。

量の向上とは「集中化」であり、質の向上は「差別化」です。
そして、質×量の結果として市場シェアがあり、
ランチェターには73.9%、41.7%、26.1%・・・・という
市場シェアのシンボル目標数値が7つあります。

したがって、原始的なようだけれど、実にきめ細かく
競争地位別の戦い方を指導しているのです。

また、コトラー4類型をランチェスター戦略の専門家の立場で評価するなら
チャンレンジャーは質がリーダーと同じもしくは若干劣っているのなら
リーダーには勝ち目はないと見ます。チャンレンジャーがリーダーに勝つには
質的側面でリーダーに打ち勝つことが必須です。
質的に勝てないチャレンジャーは二位ジリ貧の法則にはまってしまいます。

フォロワーもまた質的側面での向上がない限りシェアアップは困難です。
四位以下脱落の法則にはまるでしょう。

ニッチャーは質的に強いということなので勝ち残れるでしょう。
三位漁夫の利・微増の法則です。

リーダー≒ランチェスター強者の戦略
ニッチャー≒ランチェスター弱者の戦略

チャレンジャー、フォロワーはランチェスター的には評価されない

ということになります。

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            ポーターVSランチェスター
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ランチェスターは同業他社を競争の中核として捉えていますが
新規参入と代替品については充分な言及がなされています。

自社の市場を独占もしくは寡占すると
新規参入や代替品の登場を促進するので、
市場シェア73.9%を上限目標値としています。

売り手と買い手については
そもそも、成熟市場は買い手の力が強まることから
競争が激化するという大前提がありますが

売り手や買い手を脅威としての競争要因と捉えるよりも
川上・川中・川下は共存共栄するための仲間としての側面で
捉えています。代理店・特約店戦略という実務体系が
ランチェスター戦略の大きな特徴です。

売り手、買い手とは必ずしも利害関係が一致しないものですが
脅威としての競争要因として捉えるのは、いかがなものでしょうか。
日本オリジナルの競争戦略であるランチェスター戦略の専門家としては
切磋琢磨し機会創出する仲間としての良い意味での競争要因と位置づけたい。

よい意味での競争要因という意味では
強者の場合は自社内、自社系列内競争もあるのではないか。
自社の力を重複化し弱者につけ入る隙を与えないという意味の
「確率戦」という概念があります。

日清のカップ麺のブランドマネジャーは自社のカップヌードルを
ライバルとして戦っています。

デベロッパーのイオンモールとキーテナントのイオンとは
現場レベルでは戦っています。

同じテリトリー内に自社系列ディーラーを複数設定して
多少の共食い覚悟で確率戦を戦うメーカーも多数あります。

これら確率戦は脅威ではなく機会創出の競争要因ではないでしょうか。

●拙著
「ランチェスター戦略『弱者逆転』の法則」(第1作、11刷突破)
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4534039107/sengoku-22/ref=nosim  
「ランチェスター戦略『一点突破』の法則」(最新刊、4刷突破)
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4534042027/sengoku-22/ref=nosim    


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(3)お奨め書籍
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課長の会計力(望月実)
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4534044852/sengoku-22/ref=nosim   

数字と固有名詞を伴わない営業会議は、根性論・精神論になりがち。
公認会計士の望月さんの例示はいつも面白いのですが
今回も牛丼、NOVA、三越伊勢丹、任天堂、資生堂など。使えます。

  
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会社設立5年お金にまつわる解決一切(今村仁)
http://www.amazon.co.jp/dp/4806132292/    

会社設立5年お金にまつわる解決一切
横領、未払残業、パワハラ、不渡り、裁判沙汰、浮気、子どもの病気。
これらのトラブルは偶然起こったのではありません。そこには法則が…。

  
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(4)近況報告   次号は1/7発行
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雑誌「月刊・経営者会報」で「小が大に勝つ戦略」を連載しています。
http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm
毎月、企業に訪問し取材・執筆しています。
これまで、次の企業または企業人を取り上げてきました。

5月号・・・トヨックス(業務用ホースメーカー)
6月号・・・ゴリラの鼻くそ(動物園専用お菓子)
7月号・・・電化のヤマグチ(御用聞き商法で元気な家電小売店)
8月号・・・ピーターパン(売上を1/3に絞ったら5倍になったパン屋)
9月号・・・カリスマ新幹線車内販売員・斎藤泉(山形新幹線)
11月号・・スペースアップ(人材力で大阪一になった住宅リフォーム会社)
12月号・・ゼル(同盟戦略で業界の台風の目となった美容室)

そして1月号では「日本酒の伝道師となることで成長した長谷川酒店」
について書きました。もうじき発行です。


そのため、毎週メールマガジンを発行することが困難となり
今年から原則、隔週発行となりました。
熱心な読者様からは、ちょっとさみしいといわれますが
雑誌の連載が、その分、読みごたえがありますので、ご容赦くださいませ。


今号で今年最後の発行となります。
次号は新年1/7に発行します。

一年間、ご愛読ありがとうございます。
お役に立てたのなら、うれしいです。

それでは、よいお年をお迎えください。

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■発行人 : ランチェスター戦略コンサルタント 福永雅文
       戦国マーケティング株式会社 代表取締役
■サイト : ビジネス戦士応援サイト≪戦国マーケティング≫
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*転送は自由です。どんどん転送してお知り合いにお奨めください。
 ただし、引用して使用なさる場合は発行人までお申し出くださいませ。
*謝辞
ランチェスター販売戦略は、昭和45年に故田岡信夫先生が
ランチェスターの戦争の法則から初めて導き出したビジネスの戦略思想です。
「勝ち方には一定のルールがある、その基本的思想をランチェスター法則
から学び取れ」が先生の一貫した主張でした。
そして先生は、ランチェスター法則をすべての戦略哲学の中核に据え、
複眼的で弁証法的な発想と、知的な論理の展開法を重視し、
今日のランチェスター販売戦略の全体系を築きあげました。
本誌発行人・福永雅文は本誌を発行するに当たって
先生の先駆的業績に敬意を払い、ここに衷心より感謝の意を表明します。
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http://www.sengoku.biz/m-maga-guide.htm


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投稿者 戦国マーケティング : 2008年12月17日