ランチェスターの法則、ランチェスター・ブログ。メルマガ、No.253 五輪招致で勝つ方法。。

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経営戦略のバイブル

No.253 五輪招致で勝つ方法

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第253号━2009/10/14━━━
        ランチェスター戦略『弱者が勝つ最後の方法』      
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      ランチェスター戦略コンサルタント 福永雅文 発行

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(2)五輪招致で勝つ方法
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こんにちは。

弱者逆転を使命として
弱者が勝つ最後の方法であるランチェスター戦略を伝道しています
コンサルタントの福永雅文です。


今回のコラムは2016年五輪招致に東京が負け、
リオデジャネイロ(ブラジル)が勝ったことを書きました。

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(1)公開セミナーのお知らせ
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(2)ランチェスターで斬る「五輪招致で勝つ方法」
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             東京は泡沫候補だったのか
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10/2コペンハーゲンで行われたIOC(国際オリンピック委員会)総会の
投票で、2016年夏季五輪の開催地がリオデジャネイロ(ブラジル)となり、
「南米大陸初」の開催が決定しました。
「環境五輪」を掲げた二度目の東京大会は幻に終りました。

なぜ、リオが勝ち、東京が負けたのか。
そして、五輪招致で勝ちたければどうすればよいのか。
2020年大会に広島・長崎が立候補の意欲を見せていますが、
果たして可能性はあるのか。

そのことを競争戦略の視点で今回、書きます。
本文は純粋に戦略論として書いており
いかなる政治的な意図もないことをご理解くださいませ。


2016年大会招致に立候補した都市はたくさんありましたが
第一次選考で多くがふるい落とされ、四都市で争われました。

・リオデジャネイロ(ブラジル)
・マドリード(スペイン)
・東京
・シカゴ(アメリカ)

直前の予想ではシカゴが優勢。
リオが急激に追い上げ、マドリードと東京の可能性は低い
といわれておりましたが、当選したのはリオでした。

08年北京、14年冬季のソチ(ロシア)に続き
新興四国BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)での開催です。


東京は充分な開催能力で一次予選の評価は最高点でしたが
もっぱら、可能性は低いといわれていました。

理由1
08年に北京で開催し、16年もまたアジアでの開催は
大陸間バランス上、適切ではなくアジア以外の各国の支持が得にくい。
12年ソチも欧米人からするとアジアみたいなものかもしれない。

理由2
アジア内のバランス上も、適切ではなく、アジア各国の支持が得にくい。

日本;冬季も含めると3回実績。今回開催されれば4回目
韓国;1回
中国;1回
ほか:開催実績なし

理由3
同都市で複数回開催(予定も含め)しているのは
ロンドン(3回)
アテネ、パリ、ロス(2回)
ですが、戦後に2回開催した都市はロンドンのみで
そもそもレアケース。未開催国の支持が得にくい。

理由4
住民の支持率がダントツに低い(IOC調べ)
マドリード 84.9%
リオ    84.5%
シカゴ   67.3%
東京    55.5%


・・・と整理すると
初めから無理筋のようにも思われます。

果たして、東京は泡沫候補だったのか。
投票結果を見てみましょう。

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           五輪招致、投票の勝ち方の原則
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投票は最終選考に残った4都市を対象に
100名前後のIOC委員によって行われました。

得票率が過半数を超える都市が出ると決定です。
過半数を獲得する都市がなければ、最下位の都市がはずされ
上位都市で争われます。

どのような投票結果だったのか、
これを分析すれば、どうすれば勝てるのかが、わかります。


●第一回投票
リオ 26票(27.7%得票率)
マド 28票(29.8%得票率)
東京 22票(23.4%得票率)
シカ 18票(19.1%得票率)
*この時点でシカゴの敗退が決まる
*第一回目投票ではリオは2位
*1〜4位間の差が少ない分散型
*東京は3位だが、シカゴ票が東京に流れれば1位の可能性あり

●第二回投票
リオ 46票(48.4%得票率)
マド 29票(30.5%得票率)
東京 20票(21.1%得票率)
*この時点で東京の敗退が決まる
*シカゴ票のほとんどがリオに流れている
*リオが過半数まであとわずかで、一人勝ち型に近い
 (2位との差はギリギリ射程圏内で
  東京票がすべてマドリードに流れれば逆転の余地はある)

●第三回投票
リオ 66票(67.3%得票率)
マド 32票(32.7%得票率)
*東京票のほとんどがリオに流れた


2012年のロンドンが決まる際にも
第二回目投票ではマドリードが1位に躍り出たのですが
第二回目で敗退したニューヨーク票が第三回目投票で
ロンドンとパリに流れてマドリードは敗退しました。


以上から、この投票方式の勝ち方の原則は以下の通りです。

1.第二番目に支持される都市としてダントツであれば勝つ
2.僅差であれば2位であっても逆転可能


リオが圧勝し、東京が惨敗したかのごとく報道されていますが
接戦であったといえます。
第二回投票時にシカゴ票が東京へ流れれば充分に勝機はあったのです。

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           第二番目の支持は「大義」勝負
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各都市の強み・弱みは次のように分析されます。

・リオ
(強)南米初、国を挙げての招致活動、三回目の挑戦 
(弱)財政、治安、インフラ

・マドリード
(強)IOC前委員長の影響力、IOC委員は欧州メンバーが多い、二回目の挑戦
(弱)ロンドンと二大会連続で欧州開催、92年にバルセロナで開催済み

・東京
(強)財政面、環境配慮五輪
(弱)64年開催済み、98年長野(冬季)開催、世論の支持、

・シカゴ
(強)財政面、オバマ大統領
(弱)96年にアトランタ、02年ソルトレイク(冬季)開催


「環境五輪」という大義は第二番目の支持を狙ったものと思われます。
ところが「南米大陸初」という大義に
第二番目の支持を奪われてしまい、完敗したのです。
未開催大陸の候補がなければ、東京に充分に勝ち目があったと思われます。

ただし、大義だけで勝てるなら、
リオはもっと早く五輪を開催していたでしょう。
リオは04年、12年にも立候補していますが第一次選考で落選しています。
開催能力が充分でなかったということです。

また、今回の流れを決定づけたシカゴ票がリオに流れたことについては
北米と南米では時差が少なく、放映権ビジネス上のメリットも大きいことも
指摘されています。

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           広島・長崎に可能性はあるのか
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以上から五輪招致の勝利の方程式は次の通り

1 開催能力は必要条件だが決め手にならない
  一次選考を通過するために必要だが、それ以上の指標ではない

2 決め手は開催意義、すなわち「大義」。
  アフリカ勢、インドなど未開催地が決勝に残ると勝ち目は薄いが
  そうでなければ「大義」勝負できる
 
3 「大義」で一回目投票で2位以内につける
  二番目に望ましい都市の座を獲得し、落選都市票の、支持を集める

4 アジア、オセアニアの時差が少ない国との提携

5 一回の立候補で決まらなくなっている
  三回程度連続立候補を覚悟し、国家総力戦、外交レベルで取り組まなければ
  もはや招致できない


さて、東京(再挑戦するとして)および、広島・長崎が
2020年大会の招致に成功する可能性はあるか。

・アフリカ勢、インドなど開催の「大義」が強烈な都市が
 国家総力戦で招致活動を行い、決勝に残ったら
 「環境」や「平和」では対抗困難。

・そうでなければ充分に可能性あり。
 「環境」よりも「平和」のほうが五輪の理念上、強烈な大義。
 が、極めて政治的テーマなので、劇薬すぎるかも。

・ただし、広島・長崎には開催能力に不安あり。
 立候補するなら国家の全面的なバックアップが不可欠。

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(4)近況報告 
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第二回目の年次大会が昨年同様、東京・明治大学にて開催されます。
今年も福永は発表予定です。詳細決まり次第、ご案内します。

●日刊工業新聞社に報道されました

10/6、34面で会社紹介として報道されました。
お近くに同紙があれば、お目通しくださいませ。

●日経情報ストラテジー11月号に出ています

先日、同誌の取材を受け
本日発売の11月号67ページに出ています。
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■発行人 : ランチェスター戦略コンサルタント 福永雅文
       戦国マーケティング株式会社 代表取締役
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*謝辞
ランチェスター販売戦略は、昭和45年に故田岡信夫先生が
ランチェスターの戦争の法則から初めて導き出したビジネスの戦略思想です。
「勝ち方には一定のルールがある、その基本的思想をランチェスター法則
から学び取れ」が先生の一貫した主張でした。
そして先生は、ランチェスター法則をすべての戦略哲学の中核に据え、
複眼的で弁証法的な発想と、知的な論理の展開法を重視し、
今日のランチェスター販売戦略の全体系を築きあげました。
本誌発行人・福永雅文は本誌を発行するに当たって
先生の先駆的業績に敬意を払い、ここに衷心より感謝の意を表明します。
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投稿者 戦国マーケティング : 2009年10月14日