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経営戦略のバイブル

No.263 宝島社と佐伯泰英はなぜ売れる?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第263号━2010/03/31━━━
        ランチェスター戦略『弱者が勝つ最後の方法』      
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      ランチェスター戦略コンサルタント 福永雅文 発行

(1)近況報告1 5/26新潟「地域戦略」など
(2)ランチェスターで斬る「宝島社と佐伯泰英はなぜ売れる?」
(3)近況報告2「坂本龍馬に学ぶリーダー像」
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弱者逆転を使命として
一点突破のランチェスター戦略を伝道しています
コンサルタントの福永雅文です。

東京は今週末が桜の見ごろです。
読者のところはいかがでしょうか。

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(1)近況報告1〜5/26新潟「地域戦略」など
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【近況1】
●5/26新潟 日刊工業新聞社主催「地域戦略」セミナー
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「入門編+地域編」を一日でやります。
重点エリア設定演習、新潟県の地域戦略など


【近況2】
●ランチェスター戦略専門研究コース第30期 4/20開講 
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講師は福永含め、協会認定講師が分担して担当します。
4/20「入門編」は福永が担当

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(2)コラム・ランチェスターで斬る 「宝島社と佐伯泰英はなぜ売れる?」
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市場が縮小しているので、自社の売上・利益も縮小してしまう・・・

よく聞く話です。

成長市場で戦うよりも厳しい戦いになるのは確かです。
しかし、市場や景気や誰かのせいにしていては、
市場の縮小幅以上に自社は落ち込むことになるは間違いないでしょう。

市場や景気の動向に左右されにくい経営を志向しなければなりません。

今回はそんな事例を紹介します。


出版販売額は2兆6千億円強あった96年をピークに毎年減り続け
09年には21年ぶりに2兆円を割り込む1兆9千億円強となりました。
ピーク時の4分の3です。

書籍も雑誌もほぼ同じ傾向を示しています。

そんななか、
ファッション誌において「宝島社」が一人勝ちしています。
月刊誌「sweet」は100万部超とダントツです。

書籍においては時代小説家の「佐伯泰英」さんが
99年から10年間で100冊刊行、累計1000万部売れました。

縮小市場において
どうして、この二者はこんなに売れるのか。

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      出版社も企業。雑誌は商品。マーケティングをやろう!
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宝島社は編集プロダクションから出版社になり
サブカル系ムックの「別冊宝島」で一時代を築きました。
福永もかつては「プロレスの裏話」をよく読んだものです(懐かしい)

その後、
ファッション雑誌に参入してきました。

講談社、小学館、集英社、光文社・・・
先発強者の競合ひしめく激戦区に
後発弱者として参入します。

95年から順次、6誌のファッション誌を創刊し
先発強者を差別化した編集方針で
03年には220億円にまで成長しますが
強者のミート戦略(編集企画の追随)や
市場の縮小の煽りで低迷。

07年には140億円程度にまで売上が減少し
経営危機に陥ります。

この苦境を乗り切るために蓮見社長は「マーケティング会議」を導入。
社長、編集、営業、広告、広報などの各部門責任者が
組織の枠を超えて、各ジャンルで一番になる「一番誌戦略」を議論。

・出版社も企業・会社だ。
・雑誌は「商品」だ。
・編集者は雑誌をつくる職人ではなく、
 売れる商品をつくる「商人」だ。

全社一丸でマーケティングをやろう!となっていったのです。

と編集者が広告主や書店を訪問しマーケティング活動を行います。

その過程で生まれたのが「附録の域を超えた附録」。
ブランドメーカーとコラボレーションして雑誌オリジナルの
バッグなどを附録としてつける企画です。

これらが圧倒的な支持を受けて

・sweet(20代後半向け)105万部
・InRed(30代向け)70万部
・smart(男性向け)40万部

など、各ジャンルでダントツの発行部数となりました。


リーマンショック以降、
広告主の宣伝費は前年比3割カットが当たり前のなか
広告は各ジャンルの1位、せめて2位の雑誌にしか入らなくなりました。

部数増と広告増はもちろん相関します。
儲かりますから、附録を豪華にできます。
とてつもない附録がついています。
ますます売れます。

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     小説は作品ではなく商品。小説家は芸術家ではなく職人
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・居眠り磐音江戸双紙シリーズ
・密命シリーズ
・夏目影二郎始末旅シリーズ

など人情味あふれる登場人物と、スリリングなストーリー展開、
ダイナミックなチャンバラでスカッとする読後感で人気の
時代小説作家・佐伯泰英さん。

歴史上の人物が出る歴史小説はよく読む福永も
架空の人物の時代小説は、これまで、あまり読んでいませんでした。

が、10年で100冊・1000万部の佐伯泰英ブーム
というものを無視するわけにもいかず
数か月前の出張の帰りに、影二郎シリーズを読んでみました。

なるほど、これは売れるなあ、と感じました。ちょっとはまるかも。


そんな佐伯さんですが
時代小説を書き始めたのが98年というから驚きです。

佐伯さんはノンフィクションやミステリー小説を書いていましたが
売れませんでした。

出版不況が押し寄せた98年の秋、編集者にこういわれたという。

「先生の本はもう出せない。
 先生に残っているのは官能小説か、時代小説だけだよな」

当時、時代小説は需要(人気)に対して書き手が不足していたのでしょう。

56歳の佐伯さんが、藁をもすがる思いで書いたのが「密命」。
文庫書き下ろし作品として99年に発売され、ブレイク。


小説家は芸術家です。純文学でなくとも作品です。
ですが、佐伯さんは、生活のために書きました。

佐伯さんは
「浮世の憂さを晴らせる物語、爽快な読後感のある小説を書こうと誓った。
 作品より商品を念頭に置き、職人のように毎日仕事をこなそうと思った。」

とインタビューで答えています。

・小説家も職業だ。生活がある。
・小説を作品でなく「商品」と捉えよう。
・自分を芸術家でなく「職人」と捉えよう。

と読み取れます。


また、佐伯さんは「文庫書き下ろし」スタイルです。
小説は、文芸雑誌掲載→単行本→文庫本 という順に出版されるものですが
始めから文庫本です。

読み捨てのマンガ雑誌に近いやり方なのです。

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             業界の常識に挑戦せよ
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宝島社も、佐伯泰英さんも追い込まれた結果、
消費者志向に頭を切り替え

・雑誌の添え物的な「附録」で勝負した宝島社

・成長分野で供給者の少ない「時代小説」に絞り
 読み捨てでもよいと割り切り、職人に徹した佐伯さん

との弱者の戦略で強者に登りつめました。

業界の常識を消費者志向でブレイクスル─したのです。
景気や市場や誰かのせいにしていても何も始りません。

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(3)お奨め情報
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(4)近況報告2 「坂本龍馬に学ぶリーダー像」講演
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昨年は「天地人・直江兼続に学ぶ」テーマで、
10回以上、講演をしました。

「小が大に勝つランチェスター戦略」に続き
「ビジネスは歴史ヒーローに学べ」シリーズも
福永の講演テーマとして育ってきた感があります。

もちろん、本業はコンサルタントで講演家ではありませんので
そんなにたくさん、やるつもりはないのですが。
歴史系は月一くらいで。

昨年暮れからは「坂本龍馬に学ぶリーダー像」のテーマで
講演を何度かしています。

龍馬を意識して、年がいもなく
ちょっと髪を長くしました。

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■発行人 : ランチェスター戦略コンサルタント 福永雅文
       戦国マーケティング株式会社 代表取締役
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 ただし、引用して使用なさる場合は発行人までお申し出くださいませ。
*謝辞
ランチェスター販売戦略は、昭和45年に故田岡信夫先生が
ランチェスターの戦争の法則から初めて導き出したビジネスの戦略思想です。
「勝ち方には一定のルールがある、その基本的思想をランチェスター法則
から学び取れ」が先生の一貫した主張でした。
そして先生は、ランチェスター法則をすべての戦略哲学の中核に据え、
複眼的で弁証法的な発想と、知的な論理の展開法を重視し、
今日のランチェスター販売戦略の全体系を築きあげました。
本誌発行人・福永雅文は本誌を発行するに当たって
先生の先駆的業績に敬意を払い、ここに衷心より感謝の意を表明します。
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◎ランチェスター戦略『一点突破』の法則
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投稿者 戦国マーケティング : 2010年3月31日